風間とんとんラーメン
「この辺でどこかオススメの焼きそばって、あります?」
人と会話していて焼きそばの話題になったときの定番の質問だ。山形市七日町の夜、外観に惹かれて入った花小路の「最上川」という飲み屋さんでも、いつも通りその問いを女将さんにぶつけてみた。
「うーん、焼きそばねえ……」
厨房で名物の「もも焼き」の火加減をみながら、隣に立つ娘さんと考えてくれる。
「そういえば、こないだ食べたとんとんラーメンのあれ」
「ああ、あれ変わってて美味しかったわね!」
訊けば山形市の風間という地域にある店らしい。ホテルに戻って調べたところ、もともとは山形市街の山大前通りで営業していたラーメン店で、10年ちょっと前に風間へ移転したとか。その翌日、日曜のお昼時に風間とんとんラーメンを早速訪れてみた。
内装は何故かエキゾチックな造りで、BGMにはハワイアンミュージックが流れている。ウクレレにラーメン。うーん、新しい。客席はカウンターもあり、そちらに着席。テーブルは卓ごとに絶妙に仕切られていて、家族連れも心置きなく食事できるようになっている。
さてメニュー。県南・置賜地方の南陽市に「赤湯」という地域があり、独特な「からみそラーメン」が同地の名物として知られている。このとんとんラーメンも赤湯スタイルのからみそラーメンを看板料理にしている。しかし目的は焼きそばだ。
「ご注文はお決まりですか?」
「青唐塩焼きそば(730円)をお願いします」
そう、冒頭の最上川で薦められたのは、ノーマルの焼きそばではなく青唐塩焼きそば。同品を紹介するページにはこんな謳い文句が書かれていた。
お馴染みになった青唐塩ラーメンのやきそば版が登場!
地元高瀬産の青唐辛子のさわやかな辛さがやみつき♪
厨房の様子は見えないが、中華鍋で炒める音が聞こえ、注文から10分ほどで配膳された。スープも付いてくるのが嬉しい。
麺はモチモチの太麺を使用。炒めた麺に挽肉とエビがトッピングされている。周りをパプリカで彩り、縁には水菜を散らしてある。エスニック風のカラフルな盛り付けで、目を楽しませてくれる。
味付けのベースは塩味。麺には焼き目はないが、良く見ると緑色の極小片が付いている。それが微塵切りの青唐辛子で、予想以上の峻烈な辛さを放っている。これがメニューに書かれていた「地元高瀬産の青唐辛子」か。なるほど、青唐塩焼きそばというメニュー名そのままだ。
トッピングの挽肉はタイ料理のガパオ風に味付けされていて、麺とよく混ぜて食べると焼きそばが一層美味しくなる。一番上に乗っているエビはほぼ生。これはボイルして火を通した方が個人的に好みだな。水菜のシャキシャキした歯応えも爽やかで良い。辛い物好きにぜひ食べて欲しい焼きそばだ。
スープもコクがあって期待以上に美味い。焼きそばのアグレッシブな辛さを上手にやわらげてくれ、最後まで堪能できた。米沢の桂町さっぽろもそうだったけど、地元の方の推薦に従うと思わぬ掘り出し物に出会えるものだ。たまにハズレもあるんだけど。
会計は税込みで788円。お腹に余裕があれば例のからみそラーメンも食べるのだが、それは次回に取っておこう。それにしてもさすが麺の国、山形。未知の焼きそばが、まだまだありそうだなあ。またいつか来なきゃ。
店舗情報 | TEL: 023-687-2528 住所: 山形県山形市大字風間4584-6 営業時間: 11:00~15:30 17:00~20:00 定休日: 火曜(昼のみ営業) → ホームページ |
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主なメニュー | 青唐塩やきそば 730円 やきそば 630円 |
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