テッパンキッチン HIROO

5月9日、テッパンキッチン HIROOという焼きそば専門店がオープンした。7月上旬、恵比寿新聞のこちらの記事でその存在を知った。同記事によると広尾三丁目にある「鉄板焼き高見」という店が母体で、世田谷にもう一店舗あるらしい。早速行ってみた。

渋谷区東 テッパンキッチン HIROO

訪れたのは7月上旬の平日、夕方17時半過ぎ。屋号は広尾だが、場所的には広尾駅と渋谷駅の中間あたりで、恵比寿駅も含めどの駅からも遠い立地だ。バスで行くなら國學院大學を目指すと良い。暖簾には「鉄板で焼く本格焼きそば専門店」と小さめの字で書かれている。期待にドキをムネムネさせながら入店。

テッパンキッチン HIROO 店内の様子

フロアは余裕のある広さだ。夜営業の開店直後で私が口開けだった。オープンキッチンを囲むコの字型のカウンター席のほか、壁沿いや奥にも席がある。ただし現在、昼は2人、夜は1人で廻しているため、今のところカウンターのみ8席で営業しているそうだ。

テッパンキッチン メニュー

手近なカウンター席に着いてメニューを確認。「焼きそば専門です!」との但し書きの通り、ほぼ焼きそばしかない。アルコール類も置いてあるが、種類は絞られていた。店の雰囲気は白金高輪のBARチェローナや門前仲町の魂の焼きそばに似た鉄板バル風なので、酒肴はこれから充実させていくのかな。

九条ねぎ焼きそば(1000円)か、厚切りホルモンと豚バラW焼きそば(1000円)かで迷ったが、後者を注文。ついでにビール(プレミアムモルツ小瓶・500円)もいただいた。

調理の様子

熱した鉄板に油を引き、キャベツ、モヤシを炒める。その脇で玉子と豚バラ、ホルモンを焼く。生麺を茹で上げ野菜と合わせ、多数のソースで次々と味付けしつつコテで混ぜ炒める。皿に盛り付けて出来上がり。

厚切りホルモンと豚バラW焼きそば 1000円

麺はモチモチの中太麺。生麺を茹で上げたあと、水で締めずにそのまま焼いている。それもカリカリに焼き固めるのではなく、麺のモチモチ感を大事にする焼き方だ。私の経験上、こういうスタイルは西日本のコナモンで育った料理人に多い。店長さんに確認したところ、ここの焼きそばを考案したオーナーの高見氏が関西出身とのこと。やはりと納得してしまった。

茹でたて生麺のモチモチ食感が素晴らしい

麺と一緒に炒めてある具はざく切りキャベツとモヤシ。キャベツの甘みが印象的だ。使っているソースは前述の記事によると10種類以上とのこと。調理しながら異なるソースで次々と調味していく様子は圧巻だった。大阪風の甘口がベースだが、どろソースも使われていてほどよくスパイシー。

今回も目玉焼きを崩しますよー

トッピングされている目玉焼きの火加減も自分の好みだ。豚バラ肉は厚めに切られていて脂身が旨かった。ホルモンは牛で、広島から仕入れているビチという希少部位だそうだ。調べてみたところ第四胃袋、いわゆるギアラの広島方言らしい。油が少なく歯ごたえあり。どちらも下味がしっかりついている上に、ソースでわざと焦がしてあって香ばしい。

紅生姜ひとつ取ってもこだわりを感じます

皿の端に添えられた微塵切りの紅生姜は梅酢に漬けた無添加ものとのこと。かすかにフルーティーで酸味が爽やか。青海苔も一般的に使われている「あおさ」ではなく、高級な正真正銘「青海苔」の方だ。ひとつひとつの食材をきっと厳選しているんだろうなあ。茹で麺かつバランスよい味付けで、丁寧に作られた正統派の関西風焼きそばだった。

プレミアムモルツの小瓶をお代わりして、いろいろと店長さんに伺った。実は味付けはソースだけではなく、醤油や塩もあるらしい。ただ裏メニュー的な存在で、立て込んでいるときはNGとのこと。次回は九条ねぎと思っていたけど、そう聞くと迷うなー。

この日のお会計は2050円。落ち着いた雰囲気の素敵なお店だが、この場所でこの客単価で大丈夫かな、と個人的にちょっと心配になってしまう。ちなみにランチは國學院大學の学生、夜は地元に住む方々が主体だそうだ。今度はもうちょっと遅い時間帯に来てみたいなー。

鉄板キッチンhiroo

店舗情報TEL: 03-6427-9447
住所: 東京都渋谷区東4-9-10 KS広尾1階
営業時間: 11:00~15:00 17:00~21:00
定休日: 日曜
ホームページ
主なメニューテッパンキッチン特製焼きそば 850円
九条ねぎ焼きそば 1000円
野菜たっぷり焼きそば 1000円
厚切りホルモンと豚バラW焼きそば 1000円