酒場アカボシ

千歳烏山駅の北口を出て、旧甲州街道を渡った辺りに、こじんまりした飲食店が固まっている一角がある。今回紹介する酒場アカボシも、そのエリアの一軒だ。近隣にある「我ー喰う(がーくう)」という店の系列らしい。

千歳烏山 酒場アカボシ

初訪問は10月中旬で、その際、メニューに焼きそばの文字を見つけた。この日は食べず仕舞いに終わったが、食べた料理がどれも秀逸だったので、この店の焼きそばがどんな品か、えらく気になった。そして11月下旬のとある平日、その店を再訪してみた。

再訪したのは20時過ぎ。中は意外と広く、カウンター席がおよそ二十もあるだろうか、厨房をぐるりと囲んでいる。奥には小さめのテーブルもある。

赤星ラガービール 500円

一人と告げて着席すると、おしぼりとともに手のアルコール消毒と検温がなされた。飲み物は屋号にちなんで赤星ラガービール(サッポロラガー/500円)を注文。

お通しはしらすおろし

お通しはしらすおろしだ。このしらす、和歌山産らしい。相模湾、駿河湾との味の違いまでは分からない。

酒場アカボシ レギュラーメニュー

メニューは和洋折衷で、魅力的な品々が並んでる。初回訪問時は魚介系中心に注文して大正解だった。今回も海鮮から攻めるとしよう。

カツオニラ醤油 580円

一品目は日替わり品に載っていた、カツオニラ醤油(580円)。戻りガツオのねっとりとした旨味に、ニラの峻烈な香りを含んだ醤油が絡んで、濃密な味わいだ。すぐにビールが無くなった。酎ハイ(350円)へと移行。

揚げ豚足 550円

二品目はこの店の名物の一つ、揚げ豚足(550円)。これも気になっていた品。豚足はおそらく下茹でされているのだろう。それをじっくりカリカリに揚げ、酢醤油と唐辛子塩でいただく。以前、熊本でいただいた食べ方とほぼ同じだ。

カリカリに揚げられた豚皮は、「ポーク・クラックリング」や「チチャロン・バボイ」などの名で、世界中で食べられている。そのクリスピーな食感に加え、揚げ豚足は骨の周りのゼラチン質まで楽しめるのが嬉しい。酢醤油が脂の重たさを軽減してくれる。

焼きそばを注文すると、お湯を沸かし始めた

そして締めはアカボシソース焼きそば(700円)だ。棒茶割り(400円)と一緒に注文すると、大きめのフライパンに水を注ぎ、お湯を沸かし始めた。沸騰した頃、冷蔵庫から袋に入った麺を出して手でほぐし、沸き立つお湯で軽く茹でたあと、ザルに上げて冷水でぬめりを落としている。居酒屋の焼きそばでここまで手間を掛けるのは珍しい。

麺の下茹でとは別のフライパンで目玉焼きを作り、さらにもう一つ使って豚肉スライスを焼き始める。ニラを加えてソースで下味を付けつつ炒める。そこに茹で上げた麺を入れ、豚肉・ニラと混ぜ炒め。味を整え、ステンレスの皿に盛り付けてできあがり。

アカボシソース焼きそば 700円

麺はもっちりした噛み応えのある太麺。「珍しい麺を使ってますね」と訊いたら、沖縄そば用の麺とのこと。一緒に炒めている具は、豚肉とニラ。トッピングは目玉焼と紅生姜。味付けはソースで、さらりとしているのに濃厚な風味を感じる。

麺は沖縄そば用らしい

崩した目玉焼きを絡めても旨い。調理中に魚粉も振り掛けてて、かなり複雑な味わいだ。一般的な蒸し麺と粉末ソースを使った品を想像してたが、その期待を良い意味で裏切られた。

目玉焼きを絡めても旨い

たかが焼きそば、されど焼きそば。どこで食べても同じ様にみえて、こうやって独自の工夫を凝らしている飲食店は多いのだ。新型コロナの苦境に立つ多くの飲食店を応援する意味でも、手近なお店から丹念に食べ歩いていかねばだなあ。

会計は3710円。スタッフが若者中心で、快活な接客の良い店だった。黒い煮汁の肉豆腐がやけに旨そうだったので、次回はそいつを食べてみたい。

店舗情報住所: 東京都世田谷区南烏山6-29-2 プラタナスタカサゴ 1F
営業時間: 18:00~3:00
定休日: 不定休
ホームページ
主なメニューアカボシソース焼きそば 700円

揚げ豚足 550円
肉豆腐 680円