なお
大衆酒場の焼きそば特集、3週目。今週、東京から3軒ご紹介して締めとなります。かなりマニアックな店ばかりですよ、っと……
ある日、飲み友達から「田端で焼きそばの提灯を見かけたよ」との情報を貰った。大体の場所を聞き出して訪れたのは一昨年8月のことだった。
田端駅で降りたのはこれが初めてかもしれない。北口を出たら左へと進み、高台の切り通しを歩く。近くに芥川龍之介が住んでいたため、この通りはりゅうのすけ商店街と名乗っているらしい。
下りきったところに谷田橋という交差点があった。かつては藍染川または谷田川と呼ばれた川が流れていたそうだ。その交差点の手前にある店が今回紹介する「なお」だ。
当時はどんな店か全く情報が無く、外からも良く分からない。恐る恐る暖簾を潜ると年配の女将さんが「いらっしゃいませ」と迎えてくれた。客席はL字のカウンターのみで天板に鉄板が2枚埋まっている。椅子の数は6~7脚ほど。口開けだったので鉄板の正面辺りに腰掛けた。
メニューはお好み焼や焼きそばなどの鉄板焼系と、簡単なおつまみの類。チャキチャキ女将の直子さんが一人で切り盛りしている。
とりあえず瓶ビール(600円)と枝豆(400円)を注文。お通しはコールスローサラダ(300円)。グビグビと飲みながら女将さんの話を伺う。
お店は昭和41年の創業で、御母堂の代には食堂をされていたそうだ。三年前に区画整理で店舗を建て替えたという。かれこれ50年近い歴史があるとは、外観からは思いもよらなかった。
続いて酎ハイ(400円)と冷奴(400円)、さらには梅酒(350円)へと繋げた。暑い盛りなので飲み物も食べ物も、さっぱりした感じの品に偏ってしまう。
〆はもちろん焼きそば(750円)を注文。麺は細い蒸し麺で、軽くレンチンして解したもの。具はキャベツ・モヤシ・シメジ・豚肉と干しエビ。塩コショウにソース二種を使って味付けをし、その脇で焼いた目玉焼きを乗せ、花鰹と紅生姜をトッピング。ちょっぴりスパイシーでつまみにもなる野菜たっぷりのソース焼きそばだ。お店の雰囲気にピッタリな落ち着く味わい。素直な美味しさ。
ついつい話し込んで二時間半も長居をしてしまった。お会計は3200円。この日は戸田橋の花火大会とやらで常連さんが居なかったが、普段はもっとワイワイ賑わっているそうだ。その雰囲気も味わってみたいなあ。
店舗情報 | TEL:不明 住所:東京都北区田端2-6-25 営業時間:18:00~24:00 定休日:不定休 |
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主なメニュー | 焼きそば 750円 スペシャル焼きそば 1200円 お好み焼 700円~ スペシャルお好み焼 1200円 枝豆・冷奴など 400円~ 瓶ビール 600円 酎ハイ 400円 |
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