ばるぼら屋
戦後の闇市がそのまま移転して、今もその名残を留めている新宿ゴールデン街。作家や役者などの有象無象が集まるこの街にばるぼら屋という店がある。創業は意外に新しく2004年だが、オーナーは歌舞伎町で30年以上もバーをやってきた方だ。ちなみに店名は手塚治虫の漫画に由来する。
頃は昨年の初秋、土曜の21時くらい。実はゴールデン街で一人呑みするのはこの時が始めて。想像していた通り、ドラマやミュージックビデオで見慣れた路地がそこにあった。
ふらふらと探し歩いて花園三番街でばるぼら屋の提灯を発見。他の店同様、間口も奥行きも狭く、1Fはカウンターで10席ほど。2Fは座敷席になってるらしいが、こちらも大人数は難しそうだ。1Fの先客は2人組が3組。1人客は俺だけか……と、入り口に近い席に腰掛けた。
この店は煮込みと鉄板焼メニューが名物で、他の酒肴も充実している。「食べ物より酒」という店が多いこの一角では貴重な存在である。近所の店への出前も含め、男性スタッフ2名でテキパキと回していた。
とりあえずホッピーセット(450円)と牛スジの煮込み(450円)を注文。よく煮込まれたスジとコンニャクの歯応え・旨味が酒に合う。七味を掛けても美味い。中(300円)をお代わりしたら、ちゃんとキンミヤ焼酎を使っていた。その辺も嬉しい。
煮込みを食べ終わったところで焼きそばを注文。この店にはノーマルのソース焼きそば以外にも何種類か用意されていて、海鮮、カレー、どろソース、牛スジなどをある程度組み合わせることが出来る。私が注文したのはどろソースカレー焼きそば(950円)。果たしてどんな品が出てくるのか興味深々。
まず鉄板に油を引いて、キャベツと玉ねぎを置き、上から重石を乗せる。その横で市販の蒸し麺を一玉、蓋をして蒸し焼きに。双方にある程度火の通ったところで混ぜ炒め。空いたスペースで目玉焼きも作り始める。豚バラスライスも小手で切り分けながら混ぜて、揚げ玉、塩コショウ、S&Bの赤缶カレー粉、ウスターソース、どろソースで味付け。皿に麺と目玉焼きを盛り付けてから鰹節、青海苔を振り掛けて出来上がり。
屋台の焼きそばっぽいのを想像していたが、見た目からして思っていた以上にちゃんとしている。やはり目玉焼きの存在感がでかい。麺や具に特筆すべき点はないが、味付けはカレーにどろソースが加わってかなりスパイシーな味わいだ。目玉の黄身を絡めると円やかになる。食事としては味が濃いだろうが、酒のつまみとしてはジャストマッチ。ちなみにソースはオリバーソースが使われていた。
途中でキンミヤ梅割り(400円)を一杯お代わりしてお会計は2750円。チャージが300円なので後で計算したら2850円だったはずだが100円得したのかな?
冷静に考えると焼きそば一皿で1000円近い価格というのは、かなり高い。それでも場所を考えるととても良心的な店だと感じた。なにしろ近所のスナックで焼きそばを頼めば、ぺヤングを出されて1500円くらい取られかねない街なのだ、ここは。
店舗情報 | 住所:新宿区歌舞伎町1-1-8 明るい花園3番街 TEL:03-5285-8188 営業時間:18:00~翌6:30(祝日は24時まで) 定休日:日曜(祝日は不定休) → ホームページ |
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主なメニュー | どろソースカレー焼きそば 950円 牛スジカレー焼きそば(醤油) 950円 ソース焼きそば 800円 豚玉 800円 ミックス玉 1100円 牛スジの煮込み 450円 ホッピーセット 450円 中 300円 キンミヤ梅割り 400円 |
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