そばの三福 緑園店
「北見 焼きそば」で検索すると「オホーツク北見塩焼きそば」に関するページが多数ヒットする。町興しのために開発されたご当地グルメらしいが、どうもそういう経緯で作られた品には余り食指が動かない。それよりもずっと以前から北見に根付いているという、どこにでもありそうな焼きそばの方に興味が沸いてしまう。
そばの三福は北見市内にある老舗の食堂だ。そば屋のはずなのにあんかけ焼きそばが大人気だという。本店は残念ながら数年前に閉店したらしいが支店がいくつかあるようで、今回は緑園店に伺った。
7月上旬の平日、14時過ぎに訪問。気温28度という、道東にしてはとても暑い日だった。暖簾を潜って引き戸を開けると「いらっしゃいませー」と明るく爽やかな声で店員のお姉さんがお出迎え。客席はテーブルが10卓、小上がりが5卓ほどか。外観も内装も完全に「町の蕎麦屋」といった風情である。
テーブルに腰掛けるとすぐにお姉さんがお冷やを出してくれた。何気ないが心地よい接客だ。メニューを見ると「焼ソバ800円」はあるが「あんかけ」の文字がない。
「すみません、この焼ソバってのはあんかけですか?」
「はいそうですー」
「じゃ、それをひとつ」
「はい、『焼き』一丁ーっ!」
と注文を元気よく厨房へ通す。
先客は御婦人二人組で、この暑いのに二人ともあんかけ焼きそばを食べている。あとからも三人ほど男性客がバラバラにきたが、やはり全員あんかけ焼きそばを注文していた。なるほど、噂通りだ。
しばらくして注文した品が眼の前に運ばれてきた。皿の大きさは特筆するほどではないが、意外に深さがある。麺は細めだがコシがある。中華鍋で念入りに焼かれているようで、ところどころに焦げやパリパリした食感の部位がある。餡の具はモヤシ、白菜、キクラゲ、玉ねぎ、人参、ホウレン草、豚肉、イカ。餡自体は粘度高めであっさり味。北見名産の玉ねぎの甘みが程よく出ている。色が白いのも特徴的だ。
出されたときにはぺろりと食べられそうだと思ったが、皿の深さにだまされた。なんとか食べきったが印象以上のボリュームでお腹が苦しい。寒い寒い北見の冬を乗り切るエネルギーはこうやって蓄えられてゆくのだろう。食後、余程暑そうにしていたのか、お姉さんがお冷やの御代わりを確認してくれた。良い店、というか良いお姉さんだなぁ。
なお、この日の訪問をTwitterで呟いたところ、30年ほど前に三福でバイトをしていた方から「当時も焼きそばは人気だったが、それ以上に中華飯が良く出ていた」という情報をいただいた。貴重な情報ありがとうございます。
店舗情報 | TEL:0157-24-0397 住所:北海道北見市とん田東町617-185 営業時間:11:00~19:30 定休日:月曜日 |
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主なメニュー | 焼ソバ 800円 みそラーメン 650円 カツ弁当 900円 中華飯 800円 ※大盛は100円増し |
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