杏林

2014年3月23日

長野市は善光寺のすぐ近くに杏林という中華屋さんがある。創業54年というから老舗の部類だ。昔から信州大の学生向けに安くてボリュームのある品を提供しているそうな。そんなお店で最近始めたのが「一声雷ミートソース」なる焼きそば。気になるので行ってみた。

長野市 善光寺近く 杏林

訪れたのは5月中旬の平日、夕方17時過ぎ。夜営業は17時からのはずだがまだ準備中の札が掛かっている。恐る恐る入店して「もうやってますか?」と厨房へ声を掛けると「あ、はい大丈夫ですよ、どうぞ」と促された。客席はテーブルが9卓ほど。窓も壁もおすすめの品々のPOPで埋まっている。

一声雷の由来について?

普通のメニューとは別に「一声雷」の案内があった。四川風のピリ辛焼きそばで、命名の由来が中国の古典風に書かれている。この文章は創作なのだろうが店主の個性的な人柄が窺えて妙に面白い。

窓に一声雷ミートソースの案内が

目的の「一声雷ミートソース」は、この一声雷にオリジナルのミートソースを掛けたものらしい。こちらは窓に貼られたPOPに掲げられていた。

魔法の味登場! 一声雷ミートソース

コピーの下にアラジンの魔法のランプを思わせるソースポットが描かれ、回りをハートが取り囲んでいる。

「信州大のバイトがいま就職活動で来るのが遅くて……」

と出されたお冷を受け取りつつ、一声雷ミートソース(650円)を注文した。そして待つこと15分ほど。

「お待たせしました、一声雷ミートソースです」

一声雷ミートソース 650円

ボリュームたっぷりの塩焼きそばと、イラスト通りのソースポットに入れられたミートソースが目の前に置かれた。焼きそばは中細の深蒸し麺に豚肉、キャベツ、モヤシ、玉葱、人参、シメジと具沢山。さらに短冊切りの薄焼き卵がトッピングされている。

「ちょっと辛いかも知れません」
「ほう?」

まずは一声雷焼きそばをそのまま一口食べてみる。ミートソースを考慮しているためか割と薄味だ。しかし後からじんわりと辛さが口の中に広がってくる。なるほど辛口だ。ここでミートソースをダバーっと掛けた。

オリジナルのミートソースをダバーッと

絡めて食べたら予想と全く違う味わいで驚いた。これまで幾つか紹介したが、焼きそばに掛けるミートソースは、スパゲティに掛けるのと同様、どこも甘口だった。ところがこの店のは食べてビックリ、辛口なのだ。辛いのは麺だけでなくソースもだった。

ミートソースを絡めていただきます

後で店主に訊いたところ、エビチリの海老の代わりに挽肉と玉葱を使うことを思いついたそうな。いわばイタリアのボロネーゼ的なミートソースではなく、中華料理風のミートソースというわけだ。これがシンプルな味付けの焼きそばと相まってなかなか美味しい。新潟とも山梨とも異なるミートソース焼きそばだが、辛い物が好きなので嵌りそうだ。

一声雷は2011年11月、一声雷ミートソースは2012年2月くらいから始めたようだ。まだ誕生して日は浅いが個人的に応援したい品だ。野菜たっぷりだし、コスパも良いし。信大生の思い出の味になってくれると嬉しいなあ。


カレー&ミートソース焼きそば特集、いかがでしたでしょうか? 無名ながらも個性的な焼きそばが全国にはまだまだあるものですね。

さて、来週からは静岡県西部の焼きそばを特集して参ります。私の出身エリアですので、いつも以上に気合入れて食べ歩きました。お楽しみに!

杏林

店舗情報TEL:026-232-1303
住所:長野県長野市長野若松町1067
営業時間:11:00~15:00、17:00~
定休日:日曜・祝日
ホームページ
主なメニュー一声雷 550円
一声雷ミートソース 650円