名代 富士そば 代々木店

一ヶ月足らず前の5月27日、有楽町の後楽そばが閉店してしまいました。私も最終日に訪問して、寂しさとともに最後の一杯を味わいました。またいつかどこかで復活してくださることを願ってます。

ところで都内には他にも立ち食いそば、いわゆる路麺店で焼きそばを出している店がいくつかあります。墨田区横網の「うえき」とか、大田区・鵜の木の「はや川」とか、鶯谷の信濃路も本来は立ち食いそば屋的な店だったはず……。

というわけで今週は後楽そばを偲びつつ、立ち食いそば系のお店の焼きそばをご紹介したいと思います。一軒目はあのチェーン店!


5月下旬に神田鯉風先生のブログを読んで、「富士そばの一部店舗で焼きそばを提供」というロケットニュースの記事を思い出した。それによると、都内では鶯谷店、しのばず店、秋津店、代々木店の4店舗が4月から提供しているとか。家からだと代々木店が一番アクセスしやすそうだ。うっしゃ、行ってみるか。

名代 富士そば 代々木店

6月上旬、平日の朝。客先へ行く経路なので、わざわざ早めに家を出て、代々木駅で途中下車した。JR西口を出て交差点を渡ったすぐ目の前だ。分かりやすい。

富士そば 券売機

店頭の券売機で食券購入。一番上の右側に「ソース焼きそば(400円)」と「焼きそばカレー(550円)」が並んでいる。普段ならノーマルを選ぶのだが、あまり見かけないメニューなのであえて後者を購入して店内へ。

富士そば代々木店 店内の様子

カウンターに食券を置く。「作りますので座ってお待ちください」と笑顔で返され、しばし待つ。そば・うどんより調理に時間が掛かるようだが、3分も経たずに出てきた。

焼きそばカレー 550円

皿の上はカレーと焼きそばとライスで綺麗に三等分されている。ふと岩手県花巻市のかっぱ飯店で食べた品を思い出してしまった。ご飯とカレーの境目には福神漬、焼きそばとの境目には紅生姜。配置が良く考えられている。

カレーとライスの境目に福神漬け

焼きそばの麺は中細麺。具はわずかでほぼ麺のみだけど、一応は豚肉・キャベツ・人参の姿を確認した。味付けは酸味がちで独特な香りのするソース味。というか、これはたぶん業務用の冷凍品だな。

焼きそばは調理済みの業務用ですね

調理済みで温め直すだけの冷凍焼きそばは、焼きそばパンや模擬店、BBQなどで重宝されている。富士そばほどの規模なら通常ならセントラルキッチンで作るのだろうけど、提供する店が4店舗でそんなに注文も出ないだろうから、業者から仕入れているのかも知れない。まあ、焼きそばに期待される要素はクリアしているし、普通は「うん、焼きそばだね」で終わる話なので細かいことは気にしないでおこう。

焼きそばにカレーを絡める=美味い

カレーはマイルドで万人受けする無難なお味。ご飯はもちらん、焼きそばにからめても良し。富士そばは、そばよりもカレーライスなどご飯物の方が旨いんじゃないかなー、なんて個人的に思ったりしている。

最後は世界平和

最後の方はご飯も焼きそばもカレーも紅生姜も福神漬もごちゃ混ぜの渾然一体になってしまった。ルーツの異なる料理がスプーンの上で手を取り合っている。焼きそば自体に特筆すべき点はないのだが、こういうスタイルで提供すること自体を評価したい。ただ朝飯にはちと重たかったかな。

最後にお冷をぐいっと飲み干し、返却口にお盆を返して店をでた。調理済み焼きそばのメーカーごとの違いなども調べてみたら面白そうだけど、ほとんどが1kg単位なので自力では難しいだろうなあ。

名代 富士そば 代々木店

店舗情報住所:東京都渋谷区代々木1-32-12 HOUWAビル 1F
営業時間: 24時間営業
定休日: 無休
ホームページ
主なメニュー焼きそばカレー 550円
ソース焼きそば 400円

かけそば・かけうどん 300円
カレーライス 440円