うえき
両国から蔵前の辺りを歩くと大相撲関連の事物が目に付く。国技館への案内板にちゃんこ料理店、そして相撲部屋に出入りする若い力士たち。そんな街中の一角に「うえき」という食堂がある。
場所は隅田川と清澄通り、蔵前橋通りと春日通りに挟まれた区域。電柱の住所表記を見て「『横綱(よこづな)』って地名なのかー、やはり大相撲が由来かな」と感心してたら実は『横網(よこあみ)』だった。えーい、紛らわしい!
頃は昨年3月上旬。平日15時という中途半端な時間に入店。奥に細長い造りで客席はカウンター10席ほど。時間帯が時間帯なので先客は無し。店主の小柄なおばあちゃんが「いらっしゃいませ」とお冷をくれた。
メニューは立ち食い系の蕎麦屋っぽい品揃えだ。そば・うどんが中心で焼きそばや定食もある。焼きそばといなり3個のセット(500円)というのにそそられたが、そこまでお腹が空いてなかったので焼きそば(330円)にしておいた。
おばあちゃんが奥の厨房で中華鍋をガシガシと振るって調理し始めた。テレビのワイドショーを眺めつつ待つことしばし。「おまたせしました」と丸いお皿を乗せた四角いお盆が運ばれてきた。
麺は中細であちこちに焦げ目が目立つ。具はキャベツと豚の肉片。青海苔が振り掛けられ、紅生姜は脇に添えられている。全体的に油っ濃くこってりした仕上がりだ。味付けはソースで家庭的な味わいである。いなり(70円)を一個食べようかとも思ったが、焼きそばの量が意外に多かったので止めといた。セットにしなくて正解だった。
丁度ワイドショーで把瑠都の話題が流れたので、「このお店にもお相撲さん来るんですか?」と尋ねてみると、「ええ、昔から良く来てましたよー」とのお答え。聞けばこの地で創業して四十年以上にもなるそうだ。贔屓にしてくれた力士の話に始まり、北の湖や初代の若ノ花・貴ノ花、寺尾なんて懐かしい名前も話題に出てきた。
「若い子がお使いのついでに寄り道してると部屋の先輩が通りがかって。慌ててカーテンの陰に隠れようとしても皆大きいから見つかっちゃうのよねー(笑)」
地元ならではの興味深い話も色々と伺えた。日曜・祝日が定休日で、営業時間は早朝7時から夕方の16時まで。一人で切り盛りするのは大変だろうけど、身体を大事に末永く続けて欲しいものだ。
店舗情報 | TEL:03-3624-7859 住所:東京都墨田区横網2-10-6 営業時間:7:00~16:00くらい 定休日:日曜・祝日 |
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主なメニュー | 焼きそば 330円 大盛 400円 焼きそば いなり3個セット 500円 かけそば かけうどん 250円 納豆定食 350円 焼魚定食 700円 |
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