香林
広大な湿原を縫うように流れ、釧路市街を経て海へと注ぐ釧路川。夜になればライトアップされた幣舞橋が彩を添える。
さて。釧路の繁華街に赤ちょうちん横丁という一角がある。釧路で現存する最も古い飲み屋街だそうで、狭い間口の飲み屋が左右に軒を連ね、その雰囲気は戦後を髣髴とさせる。文字通り赤ちょうちんが犇く、趣きのある小路だ。
その赤ちょうちん横丁を抜けたところにあるのが香林という中華屋さん。夜のみ営業で、地元では飲んだ締めに使われているそうで、ザンギと焼きそばが名物とのこと。
6月中旬、土曜の夜、20時過ぎに訪問。知らないと来ないであろう狭い通りに看板を発見。客席はカウンターが7席、小上がりが6卓。二人連れ一組の先客が居たが、ちょうど食事を終えて帰るタイミングだった。お店はご夫妻二人で切り盛りされているようだ。
メニューを確認して、まずは生ビール(600円)と八塊鶏(ザンギ・750円)を注文。生はサッポロ。ザンギは下味を付け、衣を塗し、時間を掛けてじっくり揚げる。日ハム戦を眺めながら待っていたらビールが無くなったのでお代り。ようやくザンギも出来上がった。
この店のザンギは骨付きで、かなりボリュームがある。ここは手づかみで豪快に喰らおう。衣はサクサクパリパリ、中はジューシー。美味い美味い。ビールが進む。ケンタなんて目じゃないな。
ザンギをやっつけつつ、お店の人と会話。この辺の繁華街もめっきり寂しくなったらしい。特に郊外にイオンができてからは駅の北大通も閑散としてしまったようだ。日本中どこでも似たような状況だなあ。
日ハムの試合が勝利で終わるころ、ザンギもようやく片付いた。満を持して焼きそば(750円)を注文。ほかの客も入ってきて別の注文と重なった。ここまで調理は主にご主人担当だったが奥さんが鍋を振るう。
「お待たせしました、焼きそばです」
おー。どんな焼きそばかと楽しみだったが、何とも独特なあんかけ焼きそばだ。
麺は細い深蒸し麺。焼く前から茶色くて歯ごたえがある。餡は塩ベース。キャベツ、玉葱、モヤシ、キクラゲ、豚スライスと、野菜が主体の構成だ。
餡が割と塩っぱい味付けだが野菜の甘みが相まってバランスが取れている。麺の歯ごたえとマッチして絶妙な旨さだ。写真で見た限りでは上田の福昇亭系っぽい印象だったが、味付けが全く異なっていた。ボリュームは少なからず多からず。なるほど〆にちょうど良さそう。
食べ終えてお会計は2700円。この日はこの店の裏のホテルに泊まったので実に楽だ。今度は赤ちょうちん横丁と絡めて訪れたいな。
店舗情報 | TEL:0154-24-9440 住所:北海道釧路市川上町4-1 営業時間:17:30~25:00(日曜は22時まで) 定休日:月曜 |
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主なメニュー | 焼きそば 750円 ザンギ 750円 生ビール 600円 |
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