福昇亭
上田駅から真田坂を登って海野町商店街を右折し、左手の最初の路地を入ると福昇亭という看板が見える。そこが信州・上田で人気を二分するあんかけ焼きそばの店、福昇亭だ。
10月上旬の土曜日、バイク仲間の怪人M氏とキノコ狩りの帰りに訪れた。街中に翻る「新蕎麦」の幟に後ろ髪を引かれつつ、13:30に入店。小奇麗な内装でテーブルが4卓、カウンターが4席ほど。思ってたより狭く感じたが2階もあることを後から知った。テーブルは全て先客で埋まっていたのでカウンターに二人並んで腰掛ける。
メニューを見ると、あんかけ焼きそばは「五目焼きそば」と書かれていた。その他はラーメンにワンタン、焼飯や中華丼、そしてそれらと焼きそばのセットが記載されている。先客はほとんどがセットメニューを注文していたが、デフォルトの状態を確かめたかったこともあり、ノーマルの五目焼きそばを二つ注文。しばらくしてお冷やと一緒に小皿と割り箸が出された。この小皿で卓上の酢と辛子を混ぜれば、長野の焼きそばに付き物の「からし酢」が一丁上がりというわけだ。
カウンターの眼の前が厨房なので調理の様子が良く見える。大きな両手中華鍋で大量の麺を調理していた。取っ手をがっしり掴んで、何度も大きく煽り、麺を解しつつ炒めて時々固さを確かめる。良い加減になったところで巨大な保温ジャーに移す。注文が入るとそこから取り分け、別の中華鍋に用意された餡を掛け、諸々トッピングして出来上がり。楕円形の白い皿に盛られ、刻みネギが浮かんだ中華スープと一緒に渡された。
麺は縮れた茶色の極細麺。餡は白っぽく粘度はやや柔らかめで、白菜・玉ねぎ・人参・豚肉が具として使われていた。チャーシュー3枚と戻した一片の干椎茸が四方にトッピングされ、頂上には錦糸卵とグリンピースがあしらわれている。見た目がなかなか鮮やかだ。
まずは餡の下から麺だけを食べてみる。揚げ麺の一歩手前のパリパリした食感だ。下味がしっかり付いていて香ばしい。そのままでもなかなかいける。餡は出汁がかなり効いている。これまで長野で食べたあんかけ焼きそばはどれも餡が甘めだったがこの店のは違った。前述の独特な麺に良い具合に絡まって美味い。噂通り他地域にはない味だ。個人的には「からし酢」は少量で良いと感じた。トッピングされたチャーシューは甘めの味付けで箸休めにもなった。
これまでの経験上、人気のあるあんかけ焼きそばは並でも大盛の店が多い。今回もボリュームを懸念していたが、この店は想像よりも少なくてある意味ほっとした。食事ならばやはりセットメニューか大盛が良さそうだ。ペロリと食べ終え、まだまだ腹に余裕がある。店を出てから怪人M氏に訊いてみた。
自分「近くにもう一軒行きたい店があるんですが行けます?」
怪人M氏「良いよー」
持つべきものは良い友だ。間をおかずに次の店、日昌亭へと二人で向かった。
店舗情報 | TEL:0268-24-2086 住所:長野県上田市中央2-9-2 営業時間:11:30~15:00、16:30~19:00 定休日:水曜・第3火曜 |
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主なメニュー | 五目焼きそば 小盛 600円 並 730円 大盛 950円 ラーメンセット 800円 ワンタンセット 830円 ワンタンメンセット 1,000円 |
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