古保利

小見川つゆだくカレー焼きそば。最後の3軒目は虫幡(むしはた)という地域にある古保利(こぼり)さん。千葉県を食べ歩いているラーメンブロガー・らんちばさんの記事によると、前回紹介した華連と同じく「一心堂」系の品とのこと。本来はうなぎ屋さんなのだが、裏メニューとしてつゆだくのカレー焼きそばを提供しているらしいのだ。

小見川 うなぎ 古保利 看板

7月上旬のある暑い土曜日。さかえ食堂華連と連食したあと、4時間ほど間隔を空けて夕方17時過ぎに訪問。入り口のガラス戸には、翌週の月曜から臨時休業というお知らせが貼ってあった。遠征中はどうも臨時休業に出くわす確率が高いのだが、今回はセーフ。あぶないところだった。

小見川 うなぎ 古保利 入り口

店内はテーブル3卓に座敷2卓。厨房に面したカウンターも5席ほどある。先客は数名いて、みなさんアルコールを召してらっしゃった。ま、猛暑の週末のこの時間帯、そりゃビールも飲みたくなるよなー。

小見川 うなぎ 古保利 メニュー

メニューはうな重に定食類、おつまみなどがメイン。例の焼きそばは裏メニューのため載ってない。本当に注文できるのか、麺が切れていないか、ちょっとドキドキしながらホール担当の奥さんに訊いてみる。

「あの、スープの焼きそばを……」
「ああ、カレー焼きそばですね」
「はい、それをひとつ」
「ちょっとお時間いただきますがよろしいですか?」
「はい、大丈夫です」

やり取りを聞いたのだろう、カウンターで飲んでた常連さんが「あー、オレもカレー焼きそば一つもらうわ」と乗っかってきた。先客の注文が溜まっていたこともあり、やり取りで言われた通り、出来上がりまでだいぶ時間が掛かった。

S&Bの赤い缶

冷たいお冷を飲みながら30分近く経ったころ、「おまたせしました」とスープが並々入った巨大な丼ぶりが運ばれてきた。それといっしょに「お好みでどうぞ」とS&Bの赤い缶を渡された。ほほう、なるほど。そう来たか。

カレー焼きそば 600円

麺は細麺。ごく一般的な焼きそば用の蒸し麺ぽいが、かなり短めに処理されている。具は千切りキャベツと短冊切りの魚肉ソーセージ。それらの麺と具が、つゆだくどころかラーメン然として熱々スープに浸っている。華連のカレー焼きそばもつゆだくだったが、こちらのスープの量の多さは一目瞭然だ。

焼きそば用の蒸し麺を使用

スープは魚介系の出汁が効いていて、ソースとカレー粉の風味が輪郭をくっきりと強調している。S&Bのカレー粉を適量降りかけてみると、スープのジャンクさが増して食欲を刺激する。追いカレー万歳。

カレー粉の追い掛けが癖になる

奥さんの話によると、一心堂の焼きそばに古保利ならではのアレンジを加えて、この品ができあがったらしい。スープの量もそのアレンジのひとつだが、魚肉ソーセージの下ごしらえも華連は手切りでこちらは短冊切りだ。恐らく一心堂は手切りスタイルだったのだろうが、古保利では料理としての完成度を高めるために短冊切りにしたのではないか。真偽はともかく、どちらも食感が違っていてそれぞれ美味しい。

魚肉ソーセージの下ごしらえも違う

ところで「小見川のつゆだくカレー焼きそばは焼きそばか? それともラーメンか?」、現地のラーメンマニアの間にそんな議論もあるようだ。スープの量を問題にしているようだが、私の意見としては明らかに焼きそばだ。店が「焼きそば」と名付けて提供しているというのが最大の理由だが、そもそもつゆだく焼きそばが全国各地に存在する事実を、もっと知られるようにせねば。

汗だくでスープ以外は完食。これ全部飲み干したらお腹たっぷんたっぷんになっちゃうからね。お会計は600円。本来はうなぎ屋なので、ちょっと心苦しくもある。会計時にその旨を伝えたら、「これ目当てで並ばれたりしてもちょっと困るけど、口コミで来てもらう分には良いですよ」と笑ってらっしゃった。

小見川で今回訪れたさかえ食堂華連、そして古保利の三軒とも、つゆだくという点では共通しているが、それぞれ個性的な焼きそばばかりだった。麺好き、カレー好きな方々にはぜひ足を延ばして、食べ比べてみて欲しい。インパクトありますよー。

古保利

店舗情報TEL: 0478-82-5723
住所: 千葉県香取市虫幡1745−1
営業時間: 11:00~15:00 17:00~22:00
定休日: 水曜
主なメニュー※メニュー非掲載
カレー焼きそば 600円