さかえ食堂
今週は千葉県香取市の小見川(おみがわ)という地域で食べられている、独特なカレー焼きそばをご紹介しますっ!
千葉県香取市の小見川(おみがわ・旧小見川町)には、独特なつゆだくカレー焼きそばの文化がある。それを初めて知ったのは千葉県のラーメンを食べ歩いているらんちばさんのブログでだ。らんちばさんは船橋ソースラーメンを見出したラーメンブロガーでもある。地元を地道に回っておられるからこそ、こういう発見もあるのだろう。心から敬意を表し、焼きそば好きとして感謝したい。
さて、らんちばさんの調査によると、小見川のカレー焼きそばは「さかえ食堂系」と「一心堂系」の2系統に分類されるらしい。このエリアにはカレーラーメンも普及しているため、らんちばさんは「小見川カレー麺」(仮称)と呼んでいるようだが、当ブログでは焼きそばのみを扱うので、とりあえず「小見川つゆだくカレー焼きそば」とでも呼んでおこう。バイクでツーリングがてら、主だった3軒を食べ歩いてきたのでご紹介したい。
まずは「さかえ食堂系」の元祖、さかえ食堂。小見川駅から数百メートルの位置にある老舗のラーメン屋で、らんちばさんの記事によると30年前からカレー焼きそばを提供しているそうだ。
訪れたのは7月上旬、土曜の午前11時半ちょっと前。昔ながらの、という形容がピッタリな店舗で、店内はゴチャっとした雰囲気。客席はカウンター7席で先客は常連さんぽい地元客が2人。暑い日だったので一人は既に生ビールを飲んでいた。羨ましい。
メニューは一般的なラーメン類に紛れて、カレーラーメンやカレー味チャーハンなどもある。注文したのはもちろんカレー焼きそば(680円)だ。
細麺を茹で上げて水洗い。中華鍋にラードを引き、肉・野菜を炒める。麺を投入して混ぜ炒め、ソースをタパタパと注ぎ、スープを足してカレー粉で味付け。深皿に盛り付けて出来上がり。スープと一緒に出してくれた。
麺は細麺で柔らかめ。具は豚バラ肉、キャベツ、人参、モヤシ、玉ねぎ。トッピングに紅生姜、青海苔。そしてカレー粉が掛かっている。小見川のカレー焼きそばは、つゆだくに加えてこのようにカレー粉を後掛けするのも特徴なのだ。
看板に「手打ち麺」と掲げている通り、麺は自家製でお店の二階で作っているらしい。その麺を寄せて皿の底を見てみれば、噂通りのつゆだく状態。京丹後市の楓々亭や宮津市の藤木食堂など、宮津カレー焼きそばのウェットタイプや、大阪・北浜の福仙樓と似た系統のカレー焼きそばだ。
味付けは酸味勝ちのソースがメイン。調理の終盤で足したスープは魚介系旨味が滲みている。つゆだくな上に熱々、ソースにカレーでパンチの効いた味わいだ。これは癖になる味だなー。
付け合せのスープは煮干しを使ったあっさり風味。味付けは濃くはないけれど、かなりニボニボしてる。さらに油膜に覆われていて、火傷しそうになった。こういう暑い日にはちょっと辛い。
店主の手が空いたら色々訊きたいと思っていたのだが、常連のおっちゃんがズーッと店主に話し掛けていて付け入る隙間が無い。インタビューは諦めよう。お会計は680円。美味しかった。
ちなみにこの店の1㎞ほど西にはこちらの息子さんが経営するニュー栄があり、また、利根川を渡った茨城県神栖市にも別の息子さんが経営する栄食堂がある。両店ともこちらと同様のカレー焼きそばを提供しているそうだ。いつかそれらの店も訪問してみたい。
店舗情報 | TEL: 0478-82-1952 住所: 千葉県香取市野田153 |
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主なメニュー | カレー焼そば 680円 |
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