永楽
大分県&北九州周辺の焼きそば特集、6週目! 先週に引き続いて筑豊地方からスタート。
筑豊地方・宮若市の河童の里という観光施設に永楽という焼きそば専門店がある。もともとは直方市須崎町で55年にも渡って営業していた老舗とのこと。それも塩焼きそば専門というから珍しい。
8月上旬の土曜日、昼前にまちの駅・河童の里を訪問。この地域を流れる遠賀川(おんががわ)流域には河童・河太郎の伝説があるらしい。河童の里はそれに因んだ施設でユーモラスな河童の像と飲食店や産直販売・土産物などが並んでいる。
焼きそば専門店・永楽は河童の里に入ってすぐ右手の奥にあった。「いらっしゃいませ」と年配の女将さんがお出迎え。テーブル2つをくっつけた客席に着席してメニューを確認。
焼きそばは500円。大は600円。ご飯と御新香がつくセットはプラス100円。以上。なんとも潔い。並盛りの焼きそば(500円)を注文すると、隅に置かれた鉄板で調理を始めた。
まずは豚の脂身を熱して出てきた油を鉄板に馴染ませる。麺・具材を調理して、その横で目玉焼も焼き始める。パリパリを売りにしているが日田系とは明らかに異なる調理法だ。
その間に別のカセットコンロで鉄板を熱し、そこに焼きそば、目玉焼きを盛りつけ。手順がなかなか複雑だ。やがて熱々の鉄板が目の前に置かれた。
「下からかき混ぜるようにして、最初は何もつけずに食べてください」
「ほうほう」
「味が足りない場合はお好みで調味料を、オススメはポン酢と柚子胡椒です」
「はーい」
麺は中細。具は下味をつけた豚肉に、斜め切りの長ネギ 、モヤシ。そして目玉焼きと青ネギのトッピング。卓上に置かれた紅生姜も適量取って脇に添えてみた。味付けは塩コショウのみ。油脂と塩コショウの柔らかな風味が鼻腔を抜ける。パリパリに焦げた麺が香ばしい。
卓上に置かれた調味料はポン酢、柚子胡椒、醤油。ソースがないのは珍しい。「の」の字を描くようにポン酢を2周ほど掛けまわす。ジューっという音が楽しい。辛いのが好きなので柚子胡椒も多めに乗せ、ワシワシと全体を混ぜて食べる。おー、見事な味変だ。こりゃ美味い。
食べながら女将さんと会話してみた。
「すごいですね、55年て」
「いえ、嘘です。私に作り手が代わって、まだ一年なんです」
「えっ」
「嘘は嫌いなので訊かれたら本当のこと言ってます」
「あ、そうなんですか」
現女将さん曰く、「料理が好きで他の人の真似をするのが嫌いだから」と、旧来の味よりもオリジナルの味を志向しているそうな。ポン酢や柚子胡椒も試行錯誤の結果だとか。なるほどなあ。もともとの味とは違うかも知れないが、まあ料理人が変わったらそこは避けられない部分もあるから仕方あるまい。
具も豊富で500円はお得。女将さんの人柄も気さくで良かった。河童の里の塩焼きそば、近隣で焼きそば好きの方はぜひ試してくださいまし。
店舗情報 | TEL:0949-33-3838 住所:福岡県宮若市本城1698-9 まちの駅「河童の里」内 営業時間:11:00~ 定休日:不定休 |
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主なメニュー | 焼きそば 500円 大 600円 +セット(白ごはん つけもの) 100円 |
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