すいのや
「すいのや」は掛川城の大手門の真ん前で営業している駄菓子屋だ。静岡中部では割と一般的な業態なのだが、おでんや焼きそばも一緒に商っている。これまで地元マスコミでも何度か取り上げられてきた店だ。
訪れたのは1月初旬の日曜のお昼時。このすぐ近くの高校を卒業した私だが、訪れるのはこれで4度目かな。10人余り腰掛けられるように長テーブルと椅子が用意されているのだが、3分の2ほど埋まっていた。
まずはメニューを確認。焼きそばが無い日もあるのだが今日は大丈夫そうだ。おでんは一串40円と85円の2種類がある。この安さがおでん本来の価格帯なのだが、東京だと5串で800円とか取られるんだよなあ。とりあえずおでんを500円分と焼きそば(320円)を注文。
「おでんは何でもいいだかね？」
「はんぺん（勿論、黒）となるとは欲しいけん、後はお任せで」
「はんぺんはまだ入れたばっかだで、後でもって行くで」
「はいはい」
と、出てきたおでんが串8本。なるとにコンニャク、ジャガイモ、厚揚げ。うーん、これだけで腹が膨れてしまいそうだ。メニューに肉と書かれている鶏皮の串も入っていた。
ところでいわゆる静岡おでんと掛川のおでんは微妙な差異がある。黒い汁や黒はんぺん、なると巻などほとんどの要素は共通しているのだが、「牛スジが入ってない」「代わりに鶏皮の串が入っている」「だし粉に青海苔が入っていない」などの点が異なるのだ。ただし、例えば千浜の出野菓子店のように鶏皮でなくモツが入っているなど、例外もある。
東隣の金谷にあるおでんの「かんとんや」は納入業者に勧められて鶏皮を入れ始めたそうなので、近隣の業者の影響かもしれない。例えて言うなら広島系のお好み焼が府中や尾道、福山、因島で少しずつ差異があるようなものか。
まあそれはそれとして、どれも良い具合に煮えていて旨い。後から来た黒はんぺんも美味しかった。と、おでんを食べている途中で焼きそばも登場。こちらも美味しそうだ。
麺は中細で縮れ気味。具はキャベツと揚げ玉。トッピングは鰹節と刻み海苔に紅生姜。やや酸味の効いたソースで油っこい仕上がりだ。とりたてて特徴は無いが無難に美味しい。キャベツたっぷりで思ったより麺のボリュームもある。
お昼時ということもあってか、焼きそばとおでんと一緒に頼む客が多かった。食べている間に持ち帰りの客も次々と来る。おでんは一品ずつ指定するのも良いが、値段と好みの具を告げると色々と若干おまけもしてくれるので、そちらをお勧めしておく。お店には缶ビールもあるので運転しないで済む人はぜひ一杯どうぞ。
| 店舗情報 | TEL:0537-22-7432 住所:静岡県掛川市城下6-1 営業時間:10：00～19：00 定休日:無休 |
|---|---|
| 主なメニュー | おでん各種 40円または85円 焼そば 320円 玉子入り 380円 焼うどん 320円 玉子入り 380円 お好み焼 玉子入り 400円 |
