やきそば頂

ここ数年、全国で焼きそば専門店が増えているが、もちろん関西も例外ではない。大阪でも行きたい店が複数あったのだが、時間と胃袋のキャパが限られていたので、今回は一軒のみで我慢した。それが「やきそば頂(いただき)」だ。

JR阪和線 杉本町駅 東口

やきそば頂は、2017年7月に大阪市住吉区でオープンした専門店だ。訪れたのは3月上旬、日曜日のお昼過ぎ。最寄り駅はJR阪和線の杉本町駅。天王寺から阪和線に揺られれば、15分ほどで着く。

大阪 杉本町 やきそば頂(いただき)

梅田や難波の喧騒から遠く離れ、小旅行気分を堪能しつつ杉本町の東口を出た。っと、すぐにやきそばの看板を発見。眼の前は大阪市立大学。学生御用達の焼きそば屋なのね。

やきそば頂 券売機

事前に予習済みなので、店頭に置かれている券売機で、やきそば並・卵黄入り(1000円)の食券を購入。いまは焼きそばしかないが、こちらのブログによると、オープン当初は「かしみん焼」もやっていたらしい。

やきそば頂 店内の様子

店内は奥に長く、厨房に面したカウンターが6席。壁沿いに2人掛けのテーブルが1卓置かれている。先客は誰もいなかったので、一番奥のカウンターへと案内された。ちなみにお冷はセルフサービス、ね。

焼きそばの味付けは4種類

焼きそばの味付けは「ソース」だけでなく、「塩(海鮮)」「鶏白湯」「しょうゆ」の4種類から選べる。着席すると注文用紙を渡され、味付けやトッピングの好みを記入して渡す。指定する項目がラーメン二郎と被っているので、「二郎系焼きそば」と呼ぶ人もいるらしい。

注文用紙でオーダー指定

店主さんが私の注文と風貌に気づいて声を掛けてくださった。

「もしかして、今日、Twitterをフォローしてくれはった人?」
「あ、そうです」

東京から来たとか、焼きそば好きで食べ歩いているとか、なんやかんやおしゃべり。ソースに丸をつけたが、「焼きそば好きなら変わったのを試してみては」と鶏白湯を勧められた。素直にアドバイスに従い、注文を即変更。選べる辛さは普通を指定した。

鉄板でじっくり調理

座った席が鉄板から遠いので調理の様子はよく見えないが、麺は生麺を使っているようだ。麺を茹であげたら水洗いなどせず、熱々のまま直接鉄板へ広げる。関西のお好み焼き店では一般的な方式だ。肉を軽く焼いて、野菜をドサッ。なにやらいろんな工程を経ている。

注文から10分ほどで出来上がり。「おまたせしました」と、熱々の鉄板に盛り付けられた焼きそばが目の前に置かれた。山盛りでボリューム満点。サービスで冷奴もついてくるのが面白い。

鶏白湯やきそば 卵黄入 1000円

麺は中太でやや平打の多加水麺。野菜はキャベツ、モヤシ、人参。肉はカスとか筋っぽいところをあえて使ってそう。天辺に背脂と卵黄がトッピングされ、コショウがバーっと掛かっている。脇には刻んだニンニクと紅生姜が添えられている。

ボリューム満点の焼きそば

麺は焦げ目がつくまでじっくり焼かれている。アレンジの指定や味付けの方向性は、たしかに二郎に似ている。しかし麺は全く違う。二郎の麺は強力粉(オーション)を使った低加水のため、弾力が強い。ワシワシと頬張って食べねばならない麺質だ。

一方、やきそば頂は中力粉で加水率もまあまあ高めだそう。二郎に比べるとしなやかで、ツルツル啜って食べられてるタイプなのだ。

ツルツル啜れる多加水麺

味付けの鶏白湯は濃厚なコクを感じる。「天下一品」のラーメンも鶏白湯だが、濃厚な出汁でも豚のような臭みが出なくて、受け入れられ易い気がする。さらに唐辛子の輪切りの辛さが油脂に滲み出て、ほどよい辛さ。刻んだ生ニンニクや一面に振り掛けられたコショウが効いており、かなり強烈なインパクトの味だ。めっちゃウメーン!

これはもう親子焼きそば

卵黄を崩せば鶏白湯と混じって、濃厚さが増す。鶏と卵で、これはもう親子焼きそばとも呼んで良いのではなかろうか。食べごたえがある上に中毒性の高い味なので、男子学生にピッタリだろう。

食べている間に運動部らしき団体さんがやってきて、一挙に満席になった。食後にゆっくりお話をうかがって見たかったが、混雑していてそれどころではなさそうだ。食べ終えたら挨拶だけして、すぐ店を出た。次回はソースを試してみたいなあ。

店舗情報住所: 大阪府大阪市住吉区杉本2-30-14
営業時間: 11:30~14:30, 18:00~20:30
(日曜・祝日は昼営業のみ)
定休日: 木曜日
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主なメニューやきそば 850円~