秋元食堂
黒石市内にある秋元食堂は35年以上の歴史を持つ老舗の焼きそば専門店だ。最近のB級グルメブームで他にも専門店が出来たが、かつては市内で唯一の焼きそば専門店だった。ちなみに以前紹介した兼平焼そば店はこの店から7kmほどの近距離に位置するが青森市(旧・浪岡町)である。
昨年の6月末、雨の中をバイクで訪問。店舗は市街地の中心からちょっと外れた県道沿いにある。店構えは少し時代を感じるが店頭に綺麗な花が飾られていて好印象を受ける。
雨具を脱いで11:00入店。「いらっしゃーい」とおばちゃんの声が掛かるも姿が見えぬ。あ、カウンターの向こうに腰掛けてたのか。背が低いのでほとんど隠れてる状態だ。客席は四人掛けのテーブルが四つ。先客は無し。
メニューは壁に貼られており、やきそばが350円から100円刻みで750円まで。つゆやきそばは並500円と大600円。オードブルもあるが、それもやきそばだ。
この店は元々普通のやきそばだけを商っていたが、若者による町興しに協力して最近つゆやきそばを始めたそうだ。昔ながらの味を食べてみたいのでつゆやきそばは次回にしよう。450円のやきそばを注文してテーブルに着席。おっと、お冷やはセルフサービスか。
注文と同時にもう一人おばちゃんが奥から登場。このおばちゃんが店主らしい。カウンターの向こうで早速調理に取り掛かり始めた。その間、最初のおばばは手持ち無沙汰そうで、私に話しかけてきた。
「バイクできなすったんか」
「ええ、東京から」
「そりゃあ大変だねー、いつごろ出てきたん?」
「昨夜出て一晩掛かりました」
「ふへー、そりゃそりゃ」
上記は「恐らくこんな会話だったのではないか」という再現である。津軽弁で話しかけられるも会話の2割程度しか把握できない。これなら英語のヒアリングの方が自信がある。さらに(やっぱりこっちは涼しいなー)なんて思ってたら、「今日は蒸し暑くてかなわん」と表の引き戸を開け放った。やはり暑さは相対的な感覚なのだな。
と何のかんの言ってる間に「おまたせしました」と声が掛かる。焼きそばの上げ下げもセルフか。テーブルに運んで、さていただきます。
そばは太めの平打ち茹で麺。これが黒石独特の麺である。柔らかい割に、食べるとコシがある。量も450円にしては十分なボリュームだ。ソースはかなり多めに使われているようだが、味が濃すぎるわけでもない。何らかの出汁を使ってるのだろうか、コクがある。具は豚肉、キャベツに、玉ねぎのスライス。豚肉は多少厚みがあって歯応えも良い。
トッピングの類は無く、せいぜい好みで唐辛子を掛ける程度。具は極力シンプルにして美味しい麺を美味しいソースで食べさせる。そんな王道の焼きそばだった。
お勘定を済ませて出がけにおばちゃん二人が「きぃつけてなあ」と店頭で送り出してくれた。津軽の焼きそば屋は温かい。いつまでもお元気で!
店舗情報 | TEL:0172-52-7315 住所:青森県黒石市青山84-2 営業時間:10:00~14:00 定休日:水曜日 |
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主なメニュー | やきそば 350円 450円 550円 650円 750円 つゆやきそば 並 500円 大 600円 やきそばだけのオードブル 1100円 1650円 2200円 |
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