杉山

富士宮市街から南西方向の町外れ、富士宮第三中学校の近くに杉山という店がある。駄菓子屋系のこじんまりしたお店で創業は1960年(昭和35年)。この店も他店とは違う麺を使っているらしい。公式ガイドブックでは「麺:平野」と書かれているが、よく分からぬ。が、味の評判は頗る良い。

富士宮三中近く 杉山

訪れたのは昨年末の日曜日。店舗は町外れの生活道路沿いにある。一応、暖簾や看板はあるが、意識していないと通り過ぎてしまうほど目立たないお店だ。これまで何度か行ってみたが、暖簾が出ていなかったり、暖簾が出ていても鍵が閉まっていたりで振られてばかり。この日は行く前に電話をして営業していることを確認しておいた。

「こんにちはー」
「はい、いらっしゃいませ」

82歳になるという女将さんがにこやかにお出迎え。店内は中央にメインの鉄板台が置かれている。手前に小さなテーブルが一つ、奥は小上がりになっている。席数はそれなりにあるが、だいぶ御歳なので大人数はNGだろうな。

「さっき電話したものです」
「あら、以前いらしたことある?」
「いえ、初めてですけど」
「そうなの、聞き覚えのある声だった気がして(笑)」

明るくて話好きの女将さんに促され、鉄板台に着席。メニューは壁に貼られていた。焼きそば・焼きうどん・お好み焼・しぐれ焼と見慣れた品々が並んでいる。

杉山 メニュー

「イカ肉入りの焼きそば(550円)をください」
「はい、イカ肉入りね」
「玉子、のっけられます?」
「できますよー」
「じゃ、玉子もお願いします」
「玉子の焼き方はどうします?」
「んー、目玉焼きで」

女将さんが手馴れた手つきで調理

厨房で材料を取り揃えて、目の前の鉄板台で調理開始。その間も良くしゃべる。女将さんも以前は250ccのバイクに乗っていたそうだ。格好良いなあ。出来上がった焼きそばはお皿に盛って出してくれた。早速、いただきます。

イカ肉入り焼きそば+目玉焼き 700円

具はイカ・豚肉・肉カスと短冊切りのキャベツ。肉カスは細かく刻んである。ダシ粉は青海苔が混じっていないタイプだ。その上に目玉焼きを乗せ、脇に微塵切りの紅生姜が添えられている。

腰のある蒸し麺と深みのあるソース

麺は前述の通り正確なところはわからないが、他の富士宮やきそばの麺と同系統の蒸し麺だ。若干太めでモチモチした食感。普通の水ではなく出汁を掛けて解しているのか、旨味が増している気がする。ソースはさっぱりしているが味に深みがある。

食後も色々とお話を伺ってお会計。イカ肉入り(550円)に玉子をプラスして600円くらいかなと思ったが700円だった。メニューの料金を見ると、トッピングを増やすごとに割高になるシステムかも知れない。その辺も謎のままにしておこう(笑)

なお今回紹介した「杉山」と、富士宮駅近くの平仮名の「すぎやま」とは全く別のお店なので要注意。自分は未訪問だが、そちらも評判の良いお店のようだ。

杉山

店舗情報TEL:0544-27-1424
住所:静岡県富士宮市野中572-2
営業時間:10:00~13:00ごろ
定休日:月(不定休あり)
主なメニュー焼そば・お好み焼・焼うどん
 並 400円 大盛 500円
 肉入り 450円 大盛 600円
 いか入り 450円 大盛 600円
 玉子入り 450円 大盛 600円
 いか肉入り 550円 大盛 650円

しぐれ焼 500円~