みろくや 丸の内店

この年末年始、『長崎皿うどんの歴史的考察』に資料をいくつか追加して、構成などを変更した。あれこれの結論はあまり変わっていないのだが、興味のある方はチェックしてみてほしい。ついでに1/8(火)朝9:35頃からJ-WAVEに出演するので、そちらもお聴き逃しなく。

あの長文を一通り読んだ方はご存知だろうが、考察の中で昭和39年に長崎市で創業した「みろくや」という食品メーカーの製品を紹介している。

みろくや 丸の内店

みろくやの製品は、基本的に全国の百貨店や長崎の土産物売り場などで販売されている。そしてあまり知られていないが、実は東京に直営の飲食店も出店している。場所は東京駅のすぐ近く。丸の内北口を出て、高架沿いに200メートルほど歩いたあたり。幾つかの飲食店が並ぶ高架下に暖簾を掲げている。

みろくや 券売機

注文は食券方式だ。入って左手隅に置かれている券売機で食券を購入する。長崎ちゃんぽんや長崎皿うどんのほか、広東麺や五目焼きそば、味噌ラーメンなどもある。ちゃんぽん麺を使った限定メニュー「チャポリタン」も気になる。

ちゃんぽん 900円

客席はU字型のカウンターのみでテーブル席はない。卓上には金蝶ソースほか、調味料一式。初回訪問時はちゃんぽん(900円)をいただいた。ちゃんぽん麺はシコシコ・モチモチ食感で、さすがの美味しさだ。

シコシコ・モチモチのちゃんぽん麺

具は豚肉・赤はんぺん・すり身揚げ・竹輪・モヤシ・キャベツ・人参・キクラゲ・筍。スープは鶏ガラと豚骨のブレンドだろうか、清湯で予想よりもあっさりしている。具の野菜や魚介の風味が滲みて、滋味に富んだ味わいだ。

長崎皿うどん 900円

そして12月下旬に再訪して長崎皿うどん(900円)もいただいた。揚げた細麺に餡掛けというスタイルはイメージ通りだが、皿の端っこ、麺と餡の重なった上に練カラシが添えてある。東京のあんかけ焼きそばでは見慣れた練カラシだが、長崎で食べた皿うどんでは全く見かけなかったなあ。

サクサクの揚げ麺

揚げ麺は細麺だが現地基準だと太めかな。生麺をその場で揚げているのか、サクッとクリスピーなテクスチャー。ただ餡がゆるいのですぐに水分が滲みて柔らかくなりやすい。餡の具はちゃんぽんと同じ。モヤシのシャキシャキ食感がよい。粘度が低めでさらっとしている。出汁と塩主体の味付けで、本場長崎のような甘さはない。

金蝶ソースも掛けてみた

金蝶ソースを掛けてみても、なんかピンとこない。やはりあの甘さがあってこその金蝶ソースなのだろう。長崎そのままの甘ーい味付けだと、東京では受けないのだろうけど、ちょっと寂しい。隣席のお客さんは皿うどんに酢を掛けてたけど、まあそれが東京だと当たり前なんだよな。

最後は麺も柔らかく

最後の方はすっかり柔らかくなった麺を汁焼きそばっぽく手繰る。レンゲがないので行儀が悪いが、皿に直接口を付けてスープも飲み干した。もしできるなら甘い味付けをオプションで選べるようにして、カラシも一声「いりますか?」と聞いていただけると嬉しいかな。

長崎出身の方は、本場・故郷の味を懐かしむというよりも、東京向けにややローカライズされた皿うどんを楽しんでほしい。以前メシコレに紀行した『魅惑の極細パリパリ麺!東京都内で味わえる長崎名物「皿うどん」8選』へのリンクも貼っておこう。都内で皿うどんを食べたくなったら、参考にしてみてね。

店舗情報TEL: 03-3287-5020
住所: 東京都千代田区丸の内1-7-10 東京駅丸の内北口高架下 丸の内味の散歩道
営業時間: 10:30~22:00(土日祝: 18:00)
定休日: 無休
ホームページ
主なメニュー長崎ちゃんぽん 900円
野菜たっぷりちゃんぽん 1000円
長崎皿うどん 900円
野菜たっぷりちゃんぽん 1000円
五目焼きそば 900円
広東麺 750円
長崎ラーメン 800円