ウラニワ 千歳船橋店
ウラニワという、大分の郷土料理を提供している居酒屋チェーンがある。現在営業しているのは、千歳船橋・つつじヶ丘・八王子・高田馬場の各店舗。そこにちょっと変わった焼きそばがあるらしい。
ウラニワ千歳船橋店を訪れたのは4月初旬、平日の夜。小田急線千歳船橋駅の南口を出てすぐ、細い道に面して煌々と照らされた看板が掲げられていた。
1階は厨房と立呑みスペースがあり、2階にテーブル席が配置されている。先客で混み合っていて、卓のほとんどが埋まっている中、かろうじて手前の席に座ることができた。
まずはサッポロ黒ラベルの生中(450円)とかぼすジュース(230円)で乾杯。つまみはりゅうきゅう(580円)ととり皮チップス(350円)。りゅうきゅうは刺身を漬けにして胡麻で和えた大分名物だ。酒が進む。
続くがめ煮(500円)も大分名物。これは大きめの器で供された。汁っけが多く、甘さ濃い目の味付けだ。ご飯に乗せて食べたくなる。全体的にポーションは少なめかも。
ポテトサラダ(500円)は、ミシュラン店の直伝とメニューで謳っている品だ。かなり独特な味付けで、どんな食材をどう使っているのか、よくわからん。が、とにかく美味い。
えんがわユッケ(650円)。日替わりメニューに載っていたので注文してみた。酒肴なのでこれも味が濃い目に感じたが、エンガワのコリコリした食感が楽しい。
ごまだしTKG(380円)。ライスが掲載されていないので代わりに注文。これもやはり濃い目の味付けで、これをおかずにしたいくらい。飲み物しか逃げ場がないのは、ちとつらい。
さてさて、この辺で目的の焼きそばにしよう。メニュー名は、ぱっちん焼きそば(580円)。変わった名前だ。
調べてみると、大分市で毎年8月の第一週に開催されている「府内戦紙(ぱっちん)」というお祭りの、屋台で提供される焼きそばが元ネタらしい。メシ通の記事では、このぱっちん焼きそばを次のように紹介している。
鶏肉ともやし、かつお節とたっぷりののり。シンプルな具でいかにも屋台という感じです。
そして最大の特徴は、ソースを使っていないこと!
かぼすポン酢と、出汁、塩、コショウで生み出す、スパイシーで酸味のある味わいは絶品。ツルッといける、焼きそばらしからぬ食感もgoodです。
で、実際に食べてみた。
麺はもちもちの中太麺を使用。ちゃんぽん用の麺だろうか? 具は鶏肉とモヤシ。花鰹と刻み海苔がトッピングされている。大分の焼きそばというと日田やきそばが有名だが、あれほどの焼き加減ではない。大分市内に展開するかどやとも異なる。
味付けは醤油ベースなのかな? 前掲したメシ通の記事ではかぼすポン酢と書かれていたが、酸味はほとんど感じず。むしろ胡椒か、青唐辛子か、じわじわくる辛さが面白い。花鰹の旨味、刻み海苔の香りも良い。かなり自分好みだ。
ちなみに地元の方による、元ネタの方の焼きそばレポートも見つけた。
左下は、大分市から府内戦紙鶏やきそば。府内戦紙(ぱっちん)とは、
大分市の夏祭りの名前です。塩ベースのやきそばに鶏肉が
のってます。ゆず胡椒ならぬ、かぼす胡椒をつけていただきます。
同県の日田やきそば同様、鉄板で焼かれてパリパリな食感の残る、
独特なやきそばでした。
今回食べた品と具材は共通だが、味付けや焼き加減が微妙に違ってそうにも読める。いつか現地で食べてみたい。また宿題が溜まってしまった。
最後にやせうま(380円)とかぼすアイス(280円)をデザートに。やせうまも大分の郷土料理だ。壁に貼られていたポスターのイラストがかわいい。
大分名物だご汁で使われる小麦粉生地の平打ち麺に、甘いきな粉をまぶして食べる。それがやせうまだ。わらび餅や信玄餅と同系の味わいだが、麺なのが面白い。自分で試したくなるなあ。
麺を使ったスイーツというと、ユダヤ料理のロクシェン・クーゲル(Lokshen Kugel)を思い出す。パスタを練り込んだプディングだ。中近東にはクナファという品もある。それもいつか紹介したい。
二人であれこれいただいて、飲み物も何度かお代わりし、お会計は6500円ちょっと。食べた品数の割には安く済んだ気がする。今回、とり天を食べそびれたので、再訪の際は忘れないようにしよう。
店舗情報 | 住所: 東京都世田谷区桜丘2-29-14 林ビル 1~3F 営業時間: 17:00~24:00 定休日: なし → ホームページ |
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主なメニュー | ぱっちん焼きそば 580円 やせうま 380円 |
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