四川東家
今回から中華食堂や大衆食堂など、オーソドックスな食堂の焼きそばを特集してご紹介いたします。まずは現在私の住んでいる中野区のお店から。
JR中央線の中野駅と西武新宿線の新井薬師駅の中間辺りに位置するあいロード商店街。ここに四川東家という中華食堂がある。屋号の通り四川料理が売りなのだが、隠れ名物が何故かソース焼きそばだそうな。
訪れたのは3月上旬、平日のお昼前。入店して落ち着いた内装にちょっと戸惑う。外観も含めて、中華というより町中の喫茶店ぽい。窓に面したカウンター5席に2人掛けテーブルが4卓。開店直後で先客は無し。
店内の貼り紙によると、昭和27年4月に焼きそば東家として創業したが、二代目が四川料理を修行して今の業態になったようだ。自分の家から徒歩圏内で、何度も店の前を通っておきながら焼きそばが名物とは気付かなかった。
メニューは中華が中心でやはり四川料理押し。店内に掲示によると、人気ベスト5は担々麺・五目あんかけ焼きそば・麻婆豆腐・ソース焼きそば・もやしそばとのこと。「ふむふむ、なかなか健闘しているなあ」とひとりごちつつ、人気第4位のソース焼きそばを大盛(750円)で注文。
お冷と一緒に小付けとして大根を煮たのをサービスで出してくれた。ホクホクで味が滲みてて美味い。
厨房の様子は見えないが調理する音は聞こえてくる。どうもソース焼きそばは中華鍋でなく鉄板で炒めているらしい。やがて湯気の立つ皿が配膳された。
麺は細く腰が強目の蒸し麺。喉に詰まりそうになるゴワゴワした食感が、如何にも昔ながらの焼きそばっぽくて自分好みだ。具は大ぶりに刻んだキャベツのみ。トッピングにナルト、紅生姜、青海苔。ナルトが特徴的で静岡市の松竹を思い出す。
ナルト以外は同時代の他店と同様、ごくシンプルでストイックな具材しか使っていない。ただし味付けは個性的で、やや甘めのソースでコッテリ気味に仕上げてある。当時からやっている東京の店は薄味が多いのでこういう味付けは珍しい。
大盛りにしたので麺のボリュームは十分。コーヒー一杯、無料セルフサービスも嬉しい。満足してお会計。昭和20年代からやっている焼きそばは貴重な存在なので今後もこの味を守っていただけると嬉しいなあ。四川料理も良いけれどね。
店舗情報 | TEL:03-3386-6062 住所:東京都中野区新井1-21-6 営業時間:11:30~15:00、18:00~22:00 定休日:水曜・第3火曜 → ホームページ |
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主なメニュー | ソース焼きそば 650円 大 750円 担々麺 1000円 半ライス付き 1100円 麻婆豆腐定食 1000円 |
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