春駒食堂
春駒食堂は佐賀市街にある大正11年創業の老舗食堂だ。ちゃんぽんや丼物もあるが、一番人気は皿うどん。前回の四海楼で食べた品と同様、柔らかい太麺の皿うどんである。
土曜日の午後三時少し前に入店。4人掛けのテーブルが3卓に、小上がりが4席。昼食には遅い時間なのにテーブルは全て客で埋まっていた。地元のおばちゃんたちが大きな声でお喋りしながら食事している中、小上がりへ通されて温かい煎茶をいただいた。
メニューには皿うどん、ちゃんぽんの他、各種うどんや丼物が載っている。他の客を見ると多くの人がやはり皿うどんを注文していた。御飯も一緒に頼んでいる人も多い。
皿うどん以外のうどん類は、かん水の入ってない普通のうどん玉だろうと思われる。皿うどんが770円に対してちゃんぽんが680円だが、この差はひと手間掛かってる分の差額だろうか。さらに大盛皿うどんが1120円と随分高い。どんな量なのか気になるが、食べ歩きなので大盛は自重しておこう。
皿うどん770円を注文して待ってる間にお喋りをしていたおばちゃんグループが勘定を済ませて出て行った。店員さんに一声掛けて、空いたテーブルに移動。あとから現場仕事のお兄ちゃんやら、わいわい騒がしい家族連れやら続々入店。店員さんは忙しそうだ。そうこうしているうちに私の皿うどんが運ばれてきた。
見た目はスープが少ないちゃんぽんだ。麺はちゃんぽん用の太い中華麺。しっかり焼かれ、ところどころ焦げ目が付いている。量はほどほどだが女性なら一食として十分だろう。具は豚肉、モヤシ、青ネギ、玉ネギ、カマボコ、そして佐賀独特の卵入り練り物「あべ川」。
ちょっと温いのが玉に瑕だが、つるつる・しこしこした食感の麺にちゃんぽんスープが滲みて味わい深い美味しさだ。麺と具の一体感もあって、ズズっと啜るとスムーズに胃の腑に納まっていく。あれよあれよという間に食べ終えてしまった。
午後三時を過ぎたというのに、私が会計を済ませて出るのと入れ違いでさらに客が入ってきた。大正時代から何世代にも渡って地元で愛されてきた味は、まだまだ人気が途絶えることは無さそうだ。
四海楼では揚げた細麺を使ったものが「炒麺」、柔らかい太麺が「皿うどん」だった。また以前紹介した鹿児島の山形屋ファミリーレストランでは揚げ麺が「焼きそば」で、その脇に『柔らかい太麺を使った「皿うどん」もあります』とも書かれていた。そしてこの春駒食堂もしかり。「皿うどん」=細麺の固焼きそばという先入観はどうやら九州の地では禁物のようだ。
さて、次回の記事では「博多皿うどん」をご紹介。さらに事態は複雑化する。
店舗情報 | TEL:0952-23-5329 住所:佐賀県佐賀市高木町3-1 営業時間:月~木、祝祭日・11:00~16:00 土日・11:00~16:00、17:00~19:00 定休日:金曜日 |
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主なメニュー | 皿うどん 770円 大盛皿うどん 1120円 ちゃんぽん 680円 かしわうどん 480円 親子丼 570円 |
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