TEPPAN てつ屋
小樽で3軒目に紹介するのは、今年、2017年4月7日にオープンしたばかりの焼きそば専門店、TEPPAN てつ屋さん。同日に開業した小樽サンモール通りの「おたる屋台村 ろまん横丁」という複合型商業施設に出店していて、ソース焼きそばと牛ステーキを売りにしている店だ。実は「どんど」や「かたの」を訪問した日の夕方に寄ってみたのだが、日曜が定休日に変わっていて入れず終いだった。
改めて訪れたのは、STVのどさんこワイドに生出演した日の夜。放映を終えて電車(汽車)で小樽まで移動。まずは小樽サンモール商店街の同じ並びにある老舗のビアホール、ニュー三幸へ。スペアリブや枝豆をつまみにグビグビとサッポロ黒ラベルを2杯ほど飲み干した。暑い日だったので普段以上に美味い。
ニュー三幸は1時間足らずで切り上げて、TEPPAN てつ屋のあるろまん横丁へと梯子する。横丁風の建物に複数の飲食店が軒を連ね、他の店でも注文できるという最近流行のスタイルだ。TEPPAN てつ屋は中央左寄りにあった。
客席は鉄板を囲むようにカウンターで9席ほど。焼きそばはソース味のみ。「小樽と言えばあんかけ」という風潮のなか、こういうスタイルで出すのは勇気も要ったろう。「無添加焼きそば」「片面焼き」という謳い文句は、白金高輪のBARチェローナを思い出させる。一方、「ノーマル」と「エビ・イカげそ入り」というメニュー構成はみかさ風でもある。
カウンターに腰掛け、一人で切り盛りしている男性店主に「エビ・イカげそ入りの並(900円)と、レモンサワー(400円)をください」と告げる。先客は一人だけだったが、後から地元のご夫妻が来たり、別の店で飲んでいる人が注文に来たり、なかなか忙しそうだ。
調理はカウンターに面した鉄板で行う。あらかじめ茹でてある麺を、もう一度湯通しして鉄板へ。片面を焼き上げ、その脇でキャベツとモヤシを炒める。麺に乗せ、ソースを掛けて混ぜ炒め。一旦、皿に盛り付け、豚バラスライスを一枚焼き、トッピングして出来上がり。注文から10分ほどで出来上がり。ステンレスの皿もみかさを思わせる。
麺はモチモチの太麺。北海道の焼きそばはラーメンに使われる中細の縮れた玉子麺を流用することが多いので、こういうタイプの麺はとても珍しい。一緒に炒められている具はエビとイカ、ザク切りのキャベツとモヤシ。さらに豚バラスライス、だし巻き風の玉子焼き、刻みネギをトッピングしてある。
味付けは甘めの中濃ソースがベースだ。オリジナルブレンドのソースで、炒め用と仕上げ用の2種を使い分けているそうだ。スパイスの香りが立っているが辛くはなくフルーティー。あっさりとこってりの中間あたりの味わいだ。卓上にはガリ、からしマヨネーズ、エビ天かす、辛味ソースが置かれている。この組み合わせもみかさっぽいが、イカ天かすじゃなくてエビ天かすだったり、紅生姜じゃなくてガリだったり、微妙に異なるのが面白い。特にだし巻き風の玉子やガリは、鮨の街・小樽らしくてとても良い。
片面焼きとのことでBARチェローナのパリパリ感を予想していたが、むしろ太麺のモチモチ感を活かした仕上がり。前述したように太麺が珍しいこの土地だと、モチモチ感の方がインパクトがあるのだろう。北海道の新しい焼きそば文化の萌芽を感じさせる、美味しい一皿だった。
焼きそばをたぐりながら、店主も交えて隣で飲んでた常連のご夫妻と会話。「観光で?」と訊かれ、その日の昼間に放映されたどさんこワイドに出た話をしたら、「あー、見た! ほんとだ、この人だ!」と喜んでくださった。その方の話によると、北海道は中濃ソースの文化で、焼きそばにしろトンカツにしろコロッケにしろ、ウスターソースを使うことはまずないそうだ。なるほどー、地元の方との話は勉強になるなー。
レモンサワーをもう一杯お代わりして、お会計は1700円。「小樽はあんかけ焼きそばの街」のようなイメージが先行すると、その印象から外れるお店は地域広報誌や大手メディアでは紹介されづらい傾向にある。北見の「そばの三福」なんかは良い例だ。なのでせめて当ブログでは、それらから漏れそうな店を積極的に取り上げたいと思っている。小樽のあんかけが素晴らしいのはもちろんだが、「どんど」やこのお店のようにソースにも頑張って欲しいなー。
店舗情報 | TEL: 070-2426-8633 住所: 北海道小樽市稲穂1-3-9 協和サンモールビル 1F ろまん横丁 営業時間: 12:00~14:00 17:00~24:00(金土は夜のみ) 定休日: 日曜 → ホームページ |
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主なメニュー | 片面焼き・無添加焼きそば 並 750円 大 850円 エビ・イカげそ入り 並 950円 大 1000円 牛ステーキ 1500円 |
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