銀座ホール
江東の下町にある賑やかな商店街、砂町銀座。そこで店を構える銀座ホールも、昭和10年(1935年)にミルクホールとして開業した創業70年の老舗だ。私が参考にしている『ソース焼きそばの本』でも紹介されているお店で、屋号は砂町銀座の「銀座」とミルクホールの「ホール」に由来するそうだ。
訪れたのは昨年7月中旬、日曜日のお昼前。とても暑い日だったが、砂町銀座の通りは活気に溢れていた。明治通り側から100mほど歩いたところで左手に「銀座ホール」の看板を発見。レトロ趣味を意識した店舗で、2004年改装の割りにあざとさがなく、好感が持てた。
店内は結構広い。中央にカウンターが2列向かい合わせで12席くらい、それと周囲にテーブルが8卓ほどの客席だ。先客で三分の一くらいが埋まっている。ミルクホールという業態のためか、何となく年齢層が高めだ。テーブルのひとつに腰掛けて手元のメニューを確認。
御飯モノや麺類も充実していて、食堂のような雰囲気である。焼きそばを始め、いくつかの品々に何故か「名人」の名が冠せられている。お冷やを置きにきたお姉さんに名人ソース焼きそば(500円)を注文した。
店内には色々なキャッチコピーが貼られていて、内装を眺めてるだけでも退屈しない。「調理場から時折大声が聞こえますが、気合を入れて作っておりますのでご了承ください」とか。見れば確かに強面で職人タイプの店主である。やがて白い皿に盛られて焼きそば登場。
麺は細くて柔らかめ。具はキャベツ、人参、モヤシ、玉ねぎ、豚挽肉、イカ、干しエビと、意外にバラエティに富んでいる。青海苔がトッピングされ、紅生姜が脇に添えられ、これぞ焼きそばと言った趣き。しっとりした仕上がりだが、味付けはあっさりめだ。件の焼きそば本によると、この店では白鷹ソースを使っているそうだ。素朴な味わいで食べ飽きない。
ほどほどの量でペロリと食べ終わり、そこで初めて、皿に記されている「名人やきそば」の文字に気付いた。なかなか茶目っ気のある店主のようだ。
暑い日なのでイチゴのカキ氷(価格失念)をデザートに注文。さっぱりしてこれも美味しかった。
食事を終え、勘定を済ませると厨房から「ありやしたあっ!!」の大きな声。あの注意書きは本当だった。砂町銀座の活気のなかで70年も商売をしていればこその味と気合なのだろうなあ。
ちなみに焼きそばだけでは物足りない向きには「名人びっくり焼きそば」というメニューもある。焼きそば本で紹介されていたのもその品で、こちらも一度食べてみたい。何が「びっくり」なのか気になる方は実際に食べに行ってみましょう。
店舗情報 | TEL:03-3644-6354 住所:東京都江東区北砂3-33-20 営業時間:10:30~21:00 定休日:水曜 |
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主なメニュー | 名人ソース焼きそば 500円 名人びっくり焼きそば 600円 |
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