味芳斎 本店
東京タワーや芝増上寺に近い大門に、味芳斎という中華料理店がある。1958年(昭和33年)創業の老舗で、公式サイトによると湖南料理がルーツらしい。フォーリンデブはっしーさんも以前レポートしているが、近隣のサラリーマンにはおなじみの人気店。こちらの焼きそばがどんな品か、確かめに行ってみた。
初めて訪れたのは7月下旬、平日のランチタイム。場所は地下鉄大門駅のA5出口を出たすぐそば。店はこじんまりしていて、客席はテーブル5卓、キャパ20人程度の広さしかない。近くに支店もあるらしいが、今回は本店にこだわってみた。しかし、本店ではランチタイムに焼きそばをやっていないとのこと。ならばと、こちらの一番人気、麻婆豆腐丼(730円)を食べてみることに。
麻婆豆腐丼は注文から2分も掛からずに出てきた。豆腐が原型を留めないほど細かく砕かれていて、特徴的な見た目だ。辛さの方は大したことないだろうと思ったが、食べてみるとしっかり辛い。湖南料理=「湘菜」は「酸辣」あるいは「鮮辣」、「中国で一番辛い料理」として知られるが、なるほど、峻烈な辛さで、インパクトは予想以上だった。
麻婆豆腐丼には大満足だったが、肝心の焼きそばは食べず終い。ということで数日後の夜に改めて再訪。店内は混雑しており、かろうじて4人掛けテーブルが一つ空いていた。さらに客が来ることを見越してだろう、「相席でも良いですか」と確認された上でテーブルに着席。実際、あとからカップルがやってきてすぐ相席になった。
この夜注文したのは瓶ビール(590円)と焼餃子(730円)、そして炒麺(830円)。瓶ビールは中瓶で、ものはアサヒだが、タンブラーはサッポロだ。お通しにキャベツの漬物が出てきた。酸っぱ辛く、山椒が効いていてピリリと痺れも来る。これも湖南料理なのか、印象的な味だった。
まず運ばれてきたのは焼餃子。粒は手頃な大きさで、ゴロッとざっけない盛り付けだ。皮はやや薄め。手包みっぽいけど、それを判別できる自信はない。餡は肉が主体でしっかり味がついている。タレをつけなくても美味しい。
すぐに炒麺(焼きそば)も運ばれて来た。麺は中太の平打麺。しなやかなコシで脇役に徹するタイプだ。具は豚肉、キャベツ、モヤシ、人参、キクラゲ、青菜。具はもっとシンプルかと思ったが、良い意味で裏切られた。
醤油ベースの味付けで、これぞ中華焼きそばという期待通りの味わいだ。ビールや餃子との相性もバッチリ。豚肉は脂身の少ない部位。ボリュームほどほどなのも、かえっておつまみっぽくて良い。
焼きそばにはスープも付いてくる。ゴマの香りの奥にほんのり香る干し椎茸の出汁。底の方には溶いた玉子も沈んでいて、滋味深い味わいだ。餃子や炒麺には湖南料理っぽさは特に感じなかったが、無難に美味しい品々だった。
お通し、餃子、焼きそばをつまみにビールが空いてしまった。しかし相席しているカップルの注文した品がなかなか来ない。ビールをお代わりしようかとも思ったが、どうにも落ち着かないので、急いで平らげてお会計してしまった。合計で2150円。
この店はやはり独り身だとランチの方が向いてそうだ。味は良いのだが、相席を避けられないため料理に集中できない。支店の方が落ち着けるかも知れないので、今度機会があれば、そちらを覗いてみよう。
店舗情報 | TEL: 03-3431-6543 住所: 東京都港区芝大門1-4-13 営業時間: 11:00~15:00 17:00~22:00 定休日:土・日・祝日 → ホームページ |
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主なメニュー | 炒麺 830円 焼餃子 730円 麻婆豆腐丼 730円 |
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