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おやじ

京都市東山区、六波羅蜜寺の裏手の路地にある焼きそば専門店、おやじ。マスコミに何度も取り上げられている有名な店なのでご存知の方も多いだろう。もともとはお好み焼きも出していたが、調理に時間が掛かるため、いつしか焼きそば専門になったそうだ。

京都市東山区 おやじ

訪れたのはちょうど一年前、昨年8月下旬、土曜日のお昼時だった。以前は夕方も営業してたのだが、今は昼しか開いていないそうだ。店内は狭く、客席はカウンター席のみ。普通の四角な焼き台から細長いカウンターが張り出して、一風変わったPの字型の鉄板を形成している。椅子は10脚くらいで先客は5人ほど。

この店では注文する品々を客が自分で紙に書いて渡すスタイルだ。焼き台とカウンターの境目の辺りの席に荷物を置き、お冷を汲むついでに、ウォータークーラーの上に用意されている紙と鉛筆を取ってくる。

普通の焼きそばにはキャベツ・イカ・竹輪が具として入っており、焼きそばの玉数と好みで追加する具・トッピング(50円~200円)を指定する。玉は「一ヶ入」が600円で、玉数に応じて値段が上がる。

「一ヶ入り(600円)、かた肉(100円)」と綴って、ちょっととっつきにくそうな店主のおばちゃんに渡した。このおばちゃんの亡父が昭和32~33年頃にこの店を始め、母・娘と継いで現店主が三代目だそうだ。屋号も当初はしっくりきたのだろうが、女性店主で「おやじ」と呼ばれるのは少々気の毒である。

さて、この店の焼きそばの調理方法が変わっている。麺とキャベツ・イカ・竹輪を鶏がらスープで10秒ほど茹でてから鉄板で炒めるのだ。この工程で加味・加熱されて美味しさが増し、調理時間も節約できるそうだ。

炒めてる最中に「ソースはどないします?」と訊かれたので「辛め」をリクエスト。通常の甘口ソースをさーっと掛けて炒めたところに、どろっとした別容器の辛口ソースをさっと掛けてもうひと混ぜ。紅生姜をトッピングして「おまちどうさま」とこちらに寄せ、取り皿と割り箸を渡してくれた。

焼きそば・一ヶ入600円+かた肉100円

麺はストレートの生麺でツルツル・シコシコした食感。量はほどほどで男性なら2ヶ入りが丁度良さそうだ。ソースはリクエスト通りかなりスパイシーで何となくケミカルな味わい。確かに美味しいが、濃いめの味付けなので食べてるうちに喉が乾いて来た。麺を味わいたいなら甘目が良いかも知れない。

取り皿も渡してくれました

キャベツ・イカ・竹輪はたっぷり使われていた。追加した「かた肉」は牛筋を茹でたもので、歯応えも旨味も十分。

後から常連さんが二人やってきて、カウンターの端の方でそれぞれビールを飲み始めた。あー、運転さえなければ俺も飲むのになあ。この辺りは東山の下町で、路地裏も風情があって味わい深い。今度この店に立ち寄る際は、ついでに周辺ものんびり散策してみたいものだ。

おやじ

店舗情報TEL:075-541-2069
住所:京都府京都市東山区北御門町259
営業時間:11:00~13:15
定休日:水曜日
主なメニュー焼きそば
一ヶ入 600円 二ヶ入 800円
三ヶ入 1100円 四ヶ入 1400円 五ヶ入 1700円
六ヶ入以上十ヶまで 各300円増

牛肉、豚肉、油かす 各200円
かた肉 100円
えび、いか、キャベツ、ちくわ 各100円
ラード、にんにく、玉子、天かす 各50円