神戸焼
戦国武将の中では不人気な明智光秀だが、領地では善政を敷いたことで評価されていたりする。光秀が城を築いた丹波国・福知山では市街地中心部にある御霊神社に祀られていて今も参拝者は絶えない。
その御霊神社から程近い路地にあるのが今回紹介する店、神戸焼。先日の記事で紹介した例のゴムそば、そして厚焼きを福知山にもたらしたという、老舗のお好み焼き屋さんである。
訪れたのは5月下旬の平日、夕方。なかなか分かりにくい場所だがナビがあって助かった。店に入るといきなり小さな橋があり、その先の右手には小さな社があった。なかなか変わった内装だ。
メインの鉄板に店主の女性がいて、その正面に常連さんが一人腰掛けていた。他にも鉄板テーブルがあるが、店の全体像は見渡せず、客席の構成は良く判らない。
「いらっしゃいませ」
細身で眼鏡の女将さんに促され鉄板前の席に腰掛ける。メニューは店主の背後側の壁に貼られていた。
店名でもある「神戸焼」が目を引く。これが大阪風に具を混ぜた厚焼きのお好み焼きだそうで、薄焼きだけだった福知山に新風を齎したそうだ。また、経緯はこちらの記事に詳しく書かれているが、前述の通り福知山独特の深蒸し麺=ゴムそばを焼きそばに採用したのもこの店らしい。
「なんにしましょ?」
「焼きそば(600円)をください」
神戸焼やバラエティに富んだ酒肴にも食指が動くが我慢しとこう。鉄板に油を引き、調理を始めたところで何やら電話が掛かってきた。店の場所を聞いているらしいが、結局近くまで来たらもう一度連絡くださいという話になった。
常連さん「今どこやねん、わし、迎えに行くで」
店主「それが来るの今日やないねんて」
常連さん「なーんや」
なんてやり取りをしてる間に焼きそばが出来上がった。
麺は勿論、例のゴムそば。茶色い蒸し麺、中細でコシがある。具は豚肉とモヤシで、紅生姜の微塵切りがちょんとトッピングされている。お好み焼き屋の焼きそばでキャベツが使われていないのはちょっと珍しい気がする。モヤシはシャキシャキ、豚肉はカリッとした食感だ。さっきの電話のせいで豚肉が焼かれ過ぎたのかも知れないが、クリスピーな感じで美味い。ソースは酸味が強いタイプだが、植物油でややこってりした味わいに仕上がっている。シャキシャキのモヤシとホギホギの麺が美味しくて、一気にバクバクと食べてしまった。
食べてる最中、常連のおっちゃんも交えて店主と色々とお話。やはり雑誌を見て遠くから食べに来る人も増えてるらしい。
「おおきに、気いつけて。またいらしてください」
常連のおっちゃんが美味しそうにのんびり呑んでたのが羨ましい。今度はやっぱり呑める状態で来たいものだ。そのときは神戸焼も食べてみたい。
店舗情報 | TEL:0773-22-4704 住所:京都府福知山市中ノ35 営業時間:17:00~24:00くらい 定休日:不定休(月2回程度) |
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主なメニュー | やきそば、やきうどん 各600円 お好み焼 神戸焼 750円 ぶた玉 650円 いか玉 700円 すじこん焼 650円 肉玉 700円 えび玉 750円 親子焼 600円 やさい玉 450円 かき玉(冬) 750円 |
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