橋野食堂
さて、今回からしばらくの間、焼きうどんを特集いたします。まずは中国地方のホルモンうどん3連発。トップバッターは全国的に名の知られているこちらです。
岡山の山中にある城下町、津山。津山ホルモンうどんのB1グランプリでの人気ぶりで今ではすっかり全国区だ。市内に提供する店が数ある中で、もっとも有名なのが今回紹介する橋野食堂だろう。創業百年以上の老舗食堂で、古い町並みが残る津山にあっても、かなり趣のある雰囲気を醸している。
訪れたのは5月下旬の日曜日。開店は10時だが、30分も早く着いてしまった。なにしろ人気店で、GWには75人待ちだったとか、先週はバイクだけで40台以上だったとか、待つとなると大変なのだ。丁度一年くらい前にも一度訪れたが、その時も何人も順番待ちしていた。さすがに30分前では客は誰もいない。店頭の順番待ち用の椅子には、古武士のような面構えの店主と、桂枝雀に似た交通整理担当のおっちゃんが座っていた。
「まだやから、ここ座っとって」
「いや、その辺をぶらっと見て回ってきます」
津山の町並みをざっと下見して開店5分前に戻ってきたが、まだ客は誰も並んでいない。結局、開店時点で客は私一人だった。
メニューは食堂らしくバラエティに富んでいるが、やはりホルモンうどんが最も目立つように載っている。
「ご注文はお決まりですか?」
「ホルモンうどんを麺ひと玉(720円)で」
「味はどうしましょう? 普通、ピリ辛、激辛とございますが」
「んー、ではピリ辛で」
店主が鉄板でホルモンを炒め始めた。脇でうどん玉を解しつつ、ホルモンにネギも追加。うどん玉と合わせてあとからモヤシを投入。味噌ダレを垂らし、一味唐辛子を振り掛け、さらに混ぜ炒めて出来上がり。
麺は偏平気味で太めのうどん。もちっとした腰がある。ホルモンはシマチョウ主体で一切れだけハツが混じっていた。シマチョウはぷるぷるで旨味たっぷり。ネギとモヤシはたっぷり使われ、シャキシャキした歯応え。特にモヤシは水分の出ない絶妙な加熱具合だ。ホルモンうどんと言いつつも野菜が多く、全体のバランスがよい。味噌ダレはにんにくの効いたパンチのある味。二度目だがやはり美味しい。
食べている最中に店主さんから「味の加減は良かったですか?」と確認の言葉が。他に細々と気を遣っていただいた。このホスピタリティも人気の秘訣かもしれない。私も近所ならリピーターとして頻繁に訪れることだろう。旨かった。
店舗情報 | TEL:0868-26-0502 住所:岡山県津山市川崎549-9 営業時間:10:00~20:00(日~16時、祝~19時) 定休日:不定休 → ホームページ |
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主なメニュー | ホルモンうどん 一玉 720円 二玉 820円 |
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