中央亭

2022年1月31日

九州でソース焼きそばと言えば、大分県日田発祥の「想夫恋」がまず挙げられる。福岡県久留米市にある中央亭は、その流れを汲む人気店だ。

西鉄が2017年に発行したグルメガイドによると、中央亭の創業は1972年(昭和47年)。もともと想夫恋の社員だった方が、独立したという。久留米出身の元チェッカーズ・藤井フミヤ氏は、その想夫恋でバイトしていたこともあるらしく、帰省するとここ中央亭を時折訪れるそうだ。

久留米市 焼きそば・餃子 中央亭

久留米の街はJR久留米駅よりも、西鉄久留米駅に近い地域の方が栄えている。中央亭のある場所は、ややJR久留米駅寄り。明治通りと医大通りの荘島交差点から、30mほど医大通りを北へ登った左側。焼きそばと餃子の看板が目印だ。

入口には注意書きの貼り紙が

店の入り口には、漫画や携帯電話に関する注意書きが貼られている。駐車場にも、違法駐車への警告文がかなり強い口調で掲示されているらしい。そのため、あまりいい印象を抱かない人もいるようだ。

店内は思っていたより広い。厨房を囲むL字カウンターは10席以上。小上がりも2卓ある。平日、12:40くらいの時間帯で、入りは半分くらい。空いていた鉄板前のカウンターに着席した。

中央亭 メニュー

メニューは焼きそばと餃子が並び、壁にはご飯とのセットなども貼られている。注文したのは生卵入りの焼きそば(660円)と、焼ぎょうざ1人前(400円)。餃子半人前とご飯がついた定食もあるけど、ご飯はなくても良いかなと、この組み合わせにした。

調理は親子らしき男性二人。茹で上げた麺を鉄板に広げ、頃合いを見て裏返す。想夫恋やあぺたいとで見慣れた、日田スタイルの焼き方だ。

「焼いているところを写真に撮らせてもらってもいいですか?」

麺の両面をしっかり焼き上げる

ダメもとでそう訊いたら、「どうぞ」と許可された。件の貼り紙のせいか、WEBではいろいろ取沙汰されているが、むしろ接客は終始好印象だった。

焼そば(生玉子入) 710円

麺が焼けたらヘラでほぐしながら、肉、モヤシ、ネギと混ぜ炒め。特製のソースで味付けして盛り付ける。真ん中に卵を落としてできあがり。

パリパリに焼かれた麺が香ばしい

パリパリに焼かれた麺が香ばしくて美味い。細切りにされた豚肉。シャキシャキのモヤシとネギ。想夫恋の完成度がそのまま再現されている。

味はやや濃いめ、ご飯に合いそう

ソースはこってりしているわけではないが、量が多く使われているため、味は濃いめに感じる。それが想夫恋との差異かな。これはご飯に合うだろう。途中で生卵を崩して、滑らかな喉越しを楽しむのも良い。

焼ぎょうざ1人前 8コ 400円

餃子は小ぶりのが8個、盛られてきた。タレはあらかじめ小皿で提供される。カリっと焼かれて、餡は葉物野菜が中心だ。サクサクと食べられるタイプで、ぺろりと平らげてしまった。

葉物野菜が中心でサクサクと食べられる

お会計は1110円。想夫恋から独立した店が、完全に久留米の味として定着しているのを実体験できて良かった。いつか機会があれば、ご飯のセットも試してみたい。

店舗情報住所: 福岡県久留米市中央町27-8
営業時間: 11:30~22:00
定休日: 月曜日(祭日の場合は翌日)
主なメニュー焼そば(普) 660円
焼そば(生玉子入) 710円
焼そば(大盛) 950円

焼ぎょうざ1人前 8コ 400円

めし(小) 150円
めし(大) 180円
ビール(中) 550円