萬来亭
神奈川の焼きそばといえばソース焼きそば以外にも、横浜中華街を中心とする本格的な中華料理の流れも無視できない。以前、紹介した梅蘭以外にも個性的な焼きそばを提供する店がいくつもある。
横浜中華街にある上海料理の店、萬来亭。中華街に数ある焼きそばの中でも、この店の看板メニュー「上海焼きそば」の評判が随分と良いらしい。V6の番組の『グルメライターが選んだ中華街焼きそばランキング』という企画でも一位を獲得したそうだ。これは行かねばなるまい。
訪れたのは3月下旬の土曜日、お昼を少し過ぎた時間帯。賑わう中華街大通りから隘路を抜けて南の外れにある萬来亭に到着。思っていたよりこじんまりとした外観だ。店頭には前述のTV番組のポスターが貼られていた。
「いらっしゃいませ」
店内は明るい雰囲気で女性スタッフ数名がホールを担当している。最奥に8人掛けの丸テーブルがあり、あとは2人掛けテーブルを組み合わせた席が24人分ほど用意されていた。先客は家族連れやカップルなど数組。だいぶ席には余裕があったが、先客に挟まれた手狭な席に案内された。なるほど、この辺りのおざなりな接客は少々難があるかも知れない。まぁ、大陸的とも言えるけど。
渡されたメニューを確認して上海焼きそば(780円)と青島ビール(520円)を注文。先に運ばれたビールをチビチビ飲りながら待つ。他のテーブルに様々料理が運ばれるのを見送ること5分ほど。「お待たせしましたー」と焼きそばが運ばれてきた。
おー、これは美味そうだ。一口に「上海焼きそば」と言っても作り手によって随分差異がある。野菜と魚介類を具にオイスターソースで炒めたものから、あんかけ焼きそばまで様々だが、この店の品は黒っぽい色合いのソース焼きそば風だ。こちらのサイトで紹介されている現地・上海の焼きそばの数々と比べてみると、なるほどこれが本場のスタンダードなんだなと納得できる。
麺は極太でゴワゴワとした腰があり、シコシコした食感。具は豚肉と小松菜のみ。豚肉は青椒肉絲風に細く切られており、麺に馴染んで食べやすい。小松菜はシャキシャキした仕上がり具合。そして味付けは不思議な旨味とコクがある甘じょっぱい独特のタレ。前述のサイトで記されていた中国醤油の老抽なのかも知れない。
こちらのサイトで『戦前から3代続く上海出身の製麺所一家が営む料理店』と紹介されている通り、元々この萬来亭は製麺所だった。麺そのものが美味しいのは当然で、それをシンプルな具と本場の味付けでいただくのだから旨くないわけが無い。ボリュームもあり、ビールにもあう満足度の高い逸品だった。
店舗情報 | TEL:045-664-0767 住所:神奈川県横浜市中区山下町126 営業時間:11:30~14:30、17:00~22:00 ※土日は通し営業 定休日:木曜日(祝日の場合営業) |
---|---|
主なメニュー | 上海焼きそば 780円 |
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません