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キムガネ 大学路本店

韓国の旅、4日目の最終日は朝から雪だった。ホテルをチェックアウトして広蔵市場(광장시장/クァンジャンシジャン)などをウロウロと散歩。11時過ぎ、ブランチを食べにキムガネ(김家네)の大学路本店(대학로 본점/テハンノ ポンジョン)へ向かった。

キムガネ(김家네) 大学路本店

キムガネ(김家네)は先週紹介したキムパッ天国と並ぶ、韓国で有名なのり巻チェーンだ。業態もほとんど同じで、のり巻以外に粉食(분식/プンシク)や鍋(찌개/チゲ)など、幅広いメニューをお手頃価格で提供している。

キムガネ 大学路本店 店内の様子

地下鉄の恵化(혜화/へファ)駅からほど近い大学路本店は、昨年8月にリニューアルされたばかり。それを機に一部メニューも変わったらしい。入店すると前の客がカウンターで注文していたので、自分も真似たが、それは持ち帰りの場合だったようだ。イートインの場合はテーブルに着いて普通に注文すればOKだと後から知った。

さてメニューだが、ありがたいことにハングルに加え、英語・中国語・日本語も併記されている。選んだのは屋号を冠したキム家のり巻(김가네김밥/キムガネキンパッ/₩2,900≒290円)と焼きうどん(볶음우동/ポックンウドン/₩6,000≒600円)だ。

キムガネ 大学路本店 メニューの一部

前回の記事で軽く触れたが、韓国でも日本風の「うどん」は「우동/ウドン」として普及している。この店のメニューでも、焼きうどんのすぐ上に刻んだ油揚げ(유부/ユプ/油腐)の入ったうどん=きつねうどん(유부우동/ユプウドン)が載っていた。ちなみに焼きうどん(볶음우동/ポックンウドン)の漢字表記は「炒烏冬面」。大邱の焼きうどんのような「辣」の文字はなく、辛さを示す唐辛子マークも付いてない。その辺りから推測するに、この焼きうどんも日本風なのだろう。こんな寒い日は辛い汁物でも食べたいけれど、日本風焼きうどんがどの程度アレンジされているのかにも興味がわいたので、これにした。

たくわんやキムチは食べ放題

お冷のほか、キムチ・たくわん・スープなどは全てセルフサービスでお代わり自由になっている。スープは全く具無しのだし汁だが、温かいのがありがたい。テーブルの脇が引き出しになっていて、箸やスプーン、紙ナプキンが入っていた。ふーむ、いちいち面白いな。

キム家のり巻(김가네김밥) ₩2,900

キム家のり巻(김가네김밥/キムガネキンパッ)は、着席してすぐに運ばれてきた。割りと太めで、ボリュームあり。これとキムチ・スープだけでも、食事として成り立ちそうだ。

なかなか豪華なのり巻の具

具は玉子、カニカマ、たくわん、人参、ゴボウ、ほうれん草、オデン(練り物)など。色とりどりで期待以上の豪華さ。キムパッ天国の元祖のり巻きに比べると価格は倍近いが、値段なりの満足感が味わえた。

そして出てきた焼きうどん(볶음우동/ポックンウドン)。配膳されたときに「え? これオレの?」と内心で驚いてしまった。スキレット風のパンに盛り付けられ、これまた真っ赤なスープに浸っている。おいおい、辛い汁物、そのものじゃないか。しかも物凄く具沢山だぞ。

焼きうどん(볶음우동) ₩6,000

前回、大邱で食べた焼きうどんは韓国式ちゃんぽんのアレンジ風だったが、この焼きうどんはラッポッキのうどんバージョンのようだ。焼き蕎麦炒麺が焼きうどんだったり、焼きうどんが真っ赤なスープ入りだったり、ことごとく予想を外してくるのが面白いなあ。

麺はもちもちのうどん玉

麺は太くてモチモチしこしこのうどん玉。具はマンドゥ(餃子)、トック(餅)、イカ、イ貝、オデン(練り物)、ゆで卵、キャベツ、玉ねぎ、ほうれん草と盛りだくさん。ゴマとネギがトッピングされている。味付けはコチュジャンがベースで、赤と青の唐辛子も入っており、ニンニクも効いている。キムパッ天国で食べたラッポッキと同様、辛さの中に甘味もあり、さらに魚介の旨味も加わっている。

韓国の餃子=マンドゥが具として入っている

韓国の餃子=マンドゥを食べたのも実はこれが初めて。包んだ両端を丸くくっつけた帽子型で、それが具として使われているのも意外だった。その他の具もたっぷり使われていて食べ応え満点。現地スタイルに倣ってのり巻きをスープに浸してみたが、それもなかなか美味しい。2品を食べ終えてすっかり満腹。身体も温まった。

現地スタイルでいただいてみたり

11時半を過ぎると若者で混んできた。この辺りは元々ソウル大学のあった場所で、現在の多くの大学がある学生街だ。彼らにとって、こういう店の存在はありがたいんだろうなあ。

店を出た後は南大門市場や仁寺洞あたりを観光してから帰路につき、空路を経て日付が変わるころに帰宅した。韓国での4日間、そもそも少ない焼きそば系の麺料理をあちこち探して食べてみたが、ラッポッキを除いてどれも麺が太かったのが興味深い。もちろん日本食レストランへ行けば事情が違うのだろうけど、全体的に太麺のモチモチした食感が好みなのだろうと感じた。また辛くない場合でも、辛さを増すオプションが必ず付いているのも、この国らしくて面白かった。

海外での食べ歩きは、日本以上に驚きに満ちていて楽しいものだ。次はどこへ行こうかな。

店舗情報住所:大韓民国 ソウル広域市鍾路区明倫洞4街 183―1
電話番号: (+81)2-742-8292
営業時間:9:30~22:30(要確認)
休業日: 年中無休
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主なメニュー焼きうどん(볶음우동) ₩6,000
キム家のり巻(김가네김밥) ₩2,900