キムパッ天国 明洞本店
韓国旅行2日目の続き。明洞のFRESH WILLで昼食を済ませたあと、ソウル市郊外の高尺スカイドームを訪れた。この日の夜にこの会場で開催されるMetallicaの韓国公演と、そのオープニングアクトのBABYMETALが今回の旅の最大の目的だ。熱狂的なライブは11時過ぎまで続き、市街地中心部へ戻る地下鉄は終電車ギリギリの時間だった。スタンディング席で疲労度はMAX。その上、夕食を食べずに0時を回って、お腹はすっかりペコペコだ。
実はこの状況を見越して24時間営業の店を下調べしたおいた。それがキムパッ天国(김밥천국/キンパッチョングッ)の明洞本店だ。同店は韓国全国に展開しているのり巻き(김밥/キムパプ)のチェーンで、のり巻以外にも粉食(분식/プンシク)や鍋(찌개/チゲ)、丼物・トンカツなどを提供している。新宿の明洞のり巻を紹介した記事でも触れたが、韓国ではこのスタイルの店がファストフードとして定着しているのだ。
明洞方面への乗り換えはもう終わっていたので、最も近い駅で地下鉄を降りた。凍てつく寒さのソウルをトボトボ歩き、キムパッ天国・明洞本店へ着いたのは0時半過ぎ。有名チェーンの本店の割に、ずいぶんと小さな店舗だ。テーブルが10卓あまり並んだ店内はかなり殺風景で、個人経営の気安い食堂という雰囲気。深夜なので客はガードマン姿のおっちゃんが一人だけ。夜勤の休憩時間なのか夜食を食べ、同僚の分をテイクアウトしていた。
適当な席に腰掛け、伝票にチェックを入れ、「チョギヨー」と店員を呼んで渡す。注文したのは、元祖のり巻き(원조김밥/ウォンジョキンパッ/₩1500≒150円)とラッポッキ(라볶이/₩4000≒400円)。店頭の日本語表記が「元祖のり巻き」ではなく「援助のり巻き」となっていたが、たぶん誤訳だろう。ちなみにちゃんと日本語メニューも用意されているらしいので、その辺はご安心を。
事前に調べたところ、この店では飲み物の持ち込みが基本的に許されているらしい。なので私もCass Freshのロング缶をコンビニで購入して持参した。韓国ビールのもう一つの人気ブランド・Hiteも試したが、私的はCass Freshに軍配が上がった。ぶっちゃければ日本ビールの方が好みで、韓国のコンビニでも普通に売っているのだが、ま、せっかくの旅行だからね。夜道で冷えたビールが、ライブで疲れ切った身体にシュワシュワと滲みてゆく。
のり巻き(김밥/キムパプ)は店頭の台で巻かれて、たくあん(단무지/タンムジ)と一緒にすぐ出てきた。細巻きと太巻きの中間ほどの太さで、ひと口サイズに切り分けてある。具は玉子焼き、ハム、人参、ほうれん草、たくわん。ご飯と具のバランスがちょうど良く、落ち着く味わいだ。
一方のラッポッキ(라볶이)は注文から20分近く掛かった。「身体が冷え切っているなあ、辛くて熱いのが食べたいなあ」「ビールのツマミに、のり巻より濃い味のが欲しいなあ」と待ちわびたので、写真を撮るのももどかしい。湯気をかき分け、さっそくいただこう。
明洞のり巻でも紹介したが、ラッポッキ(라볶이)は、韓国餅を真っ赤なスープで辛く炒め煮したトッポッキ(떡볶이)に、インスタントのラーメン(라면/ラミョン)を入れたものだ。この店のラッポッキは汁気も少なく、期待以上に焼きそばっぽさ満点の品だった。
具はうるち米を使った韓国餅=トック(떡/打糕)が3本ほどと、キャベツ、そして韓国式の練り物=オデン(오뎅)がたっぷり入っていた。味付けはコチュジャンベースで辛いのだが、甘味や旨味もしっかりある。明洞のり巻のはあまり口に合わなかったが、ここのラッポッキはかなり好みの味だ。辛い物好きとしては普通に美味しい。
そしてこのラッポッキのタレをのり巻きにつけて食べるのが、本場の流儀だとか。真似してみるとなかなかイケる。ビールのツマミ兼夜食にピッタリの組み合わせだな。アルコールと炭水化物とカプサイシンで、どうにか身体も温まった。「ケサンヘ、ジュセヨ」とお会計をお願いし、2品合計で₩5,500≒550円。缶ビールの₩2,600を足しても、800円余りで済んでしまった。安あがりな晩飯だ。
外へ出ると雪がチラチラ。入店時より寒さがまた一段と増したようだ。ホテルまで1㎞弱の道のりを歩き、シャワーを浴びて2時ごろ就寝。疲れ切っていたせいで、この夜はすぐに眠りに落ちた。
店舗情報 | 住所: 大韓民国ソウル特別市中区会賢洞3街 1-7 電話番号: (+82)2-771-9565 営業時間: 24時間営業 定休日: 旧正月、秋夕 → ホームページ |
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主なメニュー | 元祖のり巻き(원조김밥/ウォンジョキンパッ) ₩1,500 ラッポッキ(라볶이) ₩4,000 |
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