くぼた食堂
前回紹介した筑西市の中山屋から10㎞ほど西、隣の結城市にくぼた食堂という店がある。こちらも創業50年以上という老舗で、焼きそばとモツ煮が名物。その焼きそばがまた独特な品なのだ。
くぼた食堂はJR水戸線の結城駅北口から200m足らずの距離にある。訪れたのは5月下旬、土曜の昼過ぎ。店舗はいかにも昔ながらの食堂という雰囲気。紺で染められた無地の暖簾も、街灯に吊るされている焼きそばの看板も、どちらも渋い。
店内は奥の方が狭くなっているちょっと変わった形状だが、雰囲気は期待通りだ。客席は壁を向いたカウンター3席と4人掛けのテーブル2卓。先客が2人ほどいたが、後から持ち帰り客がひっきりなしにやってきた。
メニューは焼きそばとモツ煮、それらの定食のみ。先客が定食を食べていたがご飯の量がかなり多い。食べ歩きには明らかに不向きなので、やはり焼きそばの並(540円)にしておこう。50円増しで大盛りにできるが、それもたぶん予想以上の量だろうから止めといた。
厨房で焼きそばをひたすら炒め続けている店主に注文を告げ、お冷を汲んでテーブルで待つ。先客の分が着々と作られ、10分ほどで自分の焼きそばも配膳された。
麺は細い蒸し麺。焼き目がちゃんとついている。いかにも蒸し麺と言うゴワッとした食感で、一本一本が短い。キャベツも一緒に炒めてあり、さらにモツ煮がトッピングされている。青海苔や紅生姜はなし。
味付けは酸味がムワッと立ち上るソース味だ。オタフクのウスターのダンボール箱を見かけたが、それに他のソースをブレンドしているのかな。油が濃いめで、ご飯のおかずに向いていそうな味わいだった。
もっとも特徴的なのは、やはりトッピングのモツ煮だ。甘じょっぱい味付けで、シロ(豚の小腸)が柔らかく煮込まれている。このレベルの高さなら単品や定食で人気があるのも納得だ。私も近所に住んでいたら、単品を持ち帰ってビールのつまみにするに違いない。
ソース味にモツ煮という組み合わせはミスマッチな気がするが、食べてみると味わいのコクが増して、思った以上に合う。唐辛子を掛けても美味しい。中山屋と距離はそんなに離れていないが、全く違う味・スタイルだという点にも驚いた。
移動中に青々と麦穂が茂った二毛作の畑を見かけたが、北関東のコナモン文化の奥深さをまた垣間見た思いだ。少し西に行けば栃木県小山市で、以前訪れた安田製麺所もあるし、水戸線の沿線一帯にはマイナーな焼きそば専門店も数多く残されている。またいつか改めてじっくり探索してみたいなあ。
店舗情報 | TEL: 0296-33-3559 住所: 茨城県結城市結城530-11 営業時間: 11:00~16:50 定休日: 日曜 |
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主なメニュー | 焼きそば 並 540円 大 590円 モツ煮定食 750円 モツ煮(単品) 600円 焼きそば定食 700円 半焼きそば定食 650円 |
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