杉の子
鶏ちゃん(けいちゃん)は岐阜や愛知で食されている郷土料理だ。タレに付けた鶏肉を野菜などと一緒に食べるのだが、店によって使う部位や味はまちまち。地元民はそれぞれお気に入りの店があるらしい。
今回紹介するこちらの店は下呂市中心街の南端にある。温泉客にも人気の店で、最後は焼きそばにして締めるのが名物にになっているそうな。
訪れたのは2011年6月上旬、平日の11時過ぎ。駐車場も店舗も思っていたよりこじんまりしている。客席は2人掛けのカウンターが2つに、4人用の小上がりが4卓。先客は直前に入った家族連れのみ。平日の開店直後なので当然か。
カウンターに通されてメニューを渡される。事前に調べておいた平日限定のランチセットが載ってない……壁などにも告知されてない……
「えっと、鶏ちゃんのランチセットとかありませんか?」
「はい、あります。御飯と味噌汁とおかずがついて1100円です。」
「(ほっ……)ではそれで」
目の前の卓上コンロに大きなジンギスカン鍋がドーンと据えられ、タレが絡んだ鶏肉とキャベツがガサっと盛られた。
「とにかくよく混ぜて、肉に火が通ったら早めに火を止めてください。締めに焼きそばをご注文される場合は、鶏ちゃんを半分ほど残しておいてください」
ここの鶏ちゃんは若鶏の正肉だけを使っているようだ。タレも醤油仕立てでマイルド。個人的にはガツンと来る味噌ダレで親鶏やホルモンをフガフガ食べるのが好きなのだが、この店の味付けの方がきっと万人受けするだろう。入門編には最適である。
平日限定ランチセットもなかなか豪華だ。ご飯、味噌汁、御新香、筍、サラダ。鶏ちゃんが無くても、あらかた御飯を片付けられそう。
店員さんの指示通り、鶏ちゃんを半分強残して焼きそば一玉(290円)を注文。すぐに持ってきてジンギスカン鍋にやはりドサっと盛られた。
「鍋の縁に溜まったタレを良く絡めながら焼いてください」
なるほど、ジンギスカン鍋の縁にはタレと肉汁とキャベツ汁がだいぶ溜まっていた。麺をそいつに浸して、鶏ちゃんの具を混ぜながら焼く。焼く。焼く。色加減も良い感じになったところで食べてみる。おー、美味い。
麺は四角い断面で、かなり細く柔らかい。それがタレの旨味をしっかりと吸い込んで逃がさない。卓上にあった一味を掛けて食べても美味しかった。この一味がしっとりしたやつで、土産に欲しくなってしまった。
お会計はセットとそば玉で1390円。正直、トータルでの値段は安くは無いが、中毒性の高い味である。下呂温泉を訪れた際は、ぜひご賞味あれ。
店舗情報 | TEL:0576-25-7011 住所:岐阜県下呂市小川1311-1 営業時間:11:00~14:00 17:00~20:00 定休日:月曜日 → ホームページ |
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主なメニュー | 平日限定ランチセット 1100円 焼きそば 1玉 290円 ※2011年訪問時のメニューです。 |
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