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ニック

2016年7月31日

熊本で恐らく一番活気がある繁華街、新市街。例の地震で被害を受けた店も多く、廃業や休業を余儀なくされている店も目立つが、「負けんばい熊本」を合言葉にかつての活気を徐々に取り戻しているようだ。

熊本市 新市街 お好み焼・焼きそば ニック

今回紹介するニックはその新市街にある。サンロード新市街のアーケードで、独特の雰囲気を醸している間口の狭いコナモン屋さんだ。店頭に貼られていた新聞記事とその日付を元に計算すると、創業から45年くらい経つ老舗らしい。

訪問したのは6月中旬、平日の昼下がり。店内は奥に細長く、厨房を囲む形でL字気味のカウンターが7席あり、常連さんが焼酎を飲んでいた。突き当たりには漫画の詰まった本棚と2階へ登る階段。ごちゃっとした雰囲気の店である。

ニック メニュー

メニューはコナモン類と、それにご飯を付けた定食のみ。定食のご飯はお代わり自由か。700円で炭水化物祭りだな。前回前々回で紹介したちょぼ焼がここにもある。それも気になるが、今回は屋号を冠したニック焼(750円)と生ビール(中)を注文した。

中生ビール 540円

ビールはアサヒで、中が540円、小が430円。焼酎が430円。サービスの冷や奴とお新香が嬉しい。チビチビやりながら調理の様子を眺める。

ニック焼を調理中

ニック焼はお好み焼と焼きそばの合い盛りなので、両方を焼く必要がある。お好みは混ぜ焼きで、先にお好みだけ焼き上げた。その脇で玉子を割ってボウルを被せ目玉焼きも調理。手前の広いスペースに脂を引いて豚肉を焼き、麺投入。ソースを混ぜて炒め、それを脇に寄せてキャベツを広げる。キャベツに麺を乗せ、ほんの少しい置いてから混ぜ炒め。

ニック焼 750円

焼きそばを鉄板に盛り、目玉を乗せ、お好みを半分に切って両脇に配置。ケチャップ、ソース、鰹節、マヨ、カラシをトッピングして出来上がり。あえてお好み焼を分割したシンメトリーが印象に残る盛り付けだ。

焼きそばとお好み焼の合い盛りです

お好み焼は前述の通り大阪風の混ぜ焼きだ。ソースとマヨネーズ、カラシがあしらわれている。焼きそばの麺は中太ストレートのモチモチ麺。来週紹介予定の店でも似たようなタイプの麺が使われていた。熊本ではこういう麺が好まれているようだ。

麺はモチモチの中太ストレート麺

味付けは「創業以来の秘伝」と掲げているソースだ。焼きそばは酸味勝ちな味わい。お好みのソースはケチャップも混ぜてあるのか、甘めでこってり。目玉焼きを崩して混ぜながらたべるとコクも増して美味しい。マヨネーズの風味もかなり強い。ビールが進む。

目玉焼きを崩しても美味しいのです

炭水化物と炭水化物でボリュームも充分。これで定食にしたら食べ盛りの学生でも満足できるだろうなあ。ビールも飲み干し、大いに満足してお会計。「ニック」という店名の由来を店主に尋ねたら、「先代がもういないからわからないねー」と苦笑いしていた。

半世紀近く熊本で親しまれてきた秘伝ソースの味。機会があったら味わってみてくださいまし。

お好み焼き ニック 新市街本店

店舗情報TEL: 096-356-5644
住所: 熊本県熊本市中央区新市街6-14
営業時間: 11:00~23:00
定休日: 木曜
主なメニューニック焼 750円
ちょぼ焼 650円 ミニちょぼ焼 520円
焼きそば・お好み焼 550円~
定食 700円~