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うめ月

公設市場の跡地を再利用した飲食店街、恵比寿横丁。オープン自体は近年だが、昭和の雰囲気を色濃く残す建物と猥雑な雰囲気が客を呼び寄せ、毎晩ご機嫌な声で賑わっている。

毎晩賑わう恵比寿横丁

若い店主による個性的な店が多いこの恵比寿横丁に「うめ月」という鉄板焼の店がある。お好み焼など関西風のコナモンがメインなのだが、和歌山のせち焼きも食べられるという貴重な店なのだ。

恵比寿横丁 お好み焼 うめ月

訪問したのは4月下旬、平日の19時頃。周りは既に大いに賑わっている。客席はテーブル6卓にカウンター2席。お一人様ってことでカウンターに着席。先客は2組だけだったが、一時間もしないうちに満席になってしまった。

うめ月 お好み焼メニュー

まずはメニューを確認。お好み焼の筆頭にせち焼きがあった。「当店の一番人気メニュー!」の文字にニヤリとしつつ、せち焼き(930円)と生ビール(480円)を注文。お通しのポテトサラダをつつきつつ、せち焼きが出来上がる様子を眺める。

生ビール(480円)とお通し

せち焼きは和歌山県・御坊市発祥のB級グルメだ。まずは茹で麺とイカ・キャベツを使って焼きそばを調理。あらかた出来上がったら、予め生玉子を溶いておいたボウルに焼きそば移し、トングでガーッとかき混ぜる。混ぜた焼きそばと玉子を鉄板にあけ、焼き固める。

無茶苦茶にかき混ぜる=せちがう

ちなみに元祖の店・山下ではボウルを使わず鉄板上でかき混ぜていた。この混ぜる様子から、「せちがう」=「無茶苦茶にする」という意味の方言で「せち焼き」と名付けられたそうだ。

せち焼き 930円

出来上がった品の見た目はお好み焼きそのものだ。しかし焼きそばの麺以外に小麦粉は入っていないので、分類としては焼きそばだと思う。というか、思いたい。

焼きそばでもお好み焼でもない不思議な味わい

食べてみると焼きそばとお好み焼の中間とでも言うべきか、オムそばともモダン焼とも違う、なんとも不思議な食感と味わいだ。ビールもなくなり、お代わりにウーロンハイを追加する。

酔いも手伝って、注文がひと段落したタイミングで店主に色々と訊いてみた。店主は大阪出身だが、オーナーがせち焼き発祥の地・御坊に縁があるそうだ。元祖の店・山下さんの許諾を得て「せち焼き」を名乗っているらしい。なるほどねー。

続いて店名を冠したうめ月焼き(990円)を注文。ちりめん山椒の入ったオリジナルのお好み焼で京都をイメージしているらしい。

うめ月焼き 990円

焼きあがった品はソースを掛けずにそのまま食べて、とのこと。キャベツたっぷりでフワッフワ。山椒がピリリと利いている。勧められた通り、ゴマ油を付けても美味しい。酒のつまみにピッタリでウーロンハイをさらにお代わりしてしまった。

1時間ちょっと滞在してお会計は3620円。雰囲気に飲まれて、また食べ過ぎてしまった。この恵比寿横丁はフロアにある店のメニューなら、どの席からでも注文できるらしい。フードコートっぽくて面白いなあ。また来ようっと。

お好み焼き うめ月

店舗情報TEL:03-3441-6572
住所:東京都渋谷区恵比寿1-7-4 ハイライフ恵比寿 1F (恵比寿横丁)
営業時間:17:00~翌5:00(日祝:11:30~23:30)
定休日:不定休
ホームページ
主なメニューせち焼き 930円

うめ月焼き 990円 かしみん焼き 740円
いか玉 740円 豚玉 740円

生ビール 480円
ウーロンハイ 460円