喫茶モーデン
8月と10月に食べ歩いた関西の焼きそば特集、今週3軒をご紹介してラストとなります!
「やっぱり焼きそばを1日3食、食べたりするんですか?」
これまで何度かそう訊かれたことがある。しかし期待を裏切るようで申し訳ないが、そこまで焼きそばばかり食べているわけではない。そもそも毎食というのは物理的に無理なのだ。なぜなら朝から焼きそばを提供している店がほとんどないから。東京だと歌舞伎町のかぶきち、西池袋の一鳴。大阪だと新今宮の権兵衛など、店自体が限られている。今回紹介する天神橋筋の喫茶モーデンは、その「朝焼きそば」ができる貴重な1軒だ。
モーデンは日本一長い商店街、天神橋筋商店街にある喫茶店だ。わらじナポリタンが名物だが、屋号を冠した「モーデン焼き」なる焼きそばも人気らしい。しかも喫茶店なので朝から営業している。こりゃ朝飯として食べるしか無いだろうと、10月の関西遠征、2日目の朝8時半過ぎに訪れてみた。
天神橋筋商店街の中ほど、JR天満駅から北へ100mちょっと歩いた辺りに目的の店舗があった。天四から天五に代わる境目のちょうど手前だ。8月に大阪を訪れた際にこの商店街を端から端まで歩いてみたが、長さと暑さでクタクタになったっけ。
店舗は間口が狭く、奥に長いウナギの寝床スタイル。空いている手近なテーブルに着席して、メニューを確認。食事の筆頭に目的のモーデン焼きが載っていた。しかも定食だ。単品ではなく定食が標準とは、さすが大阪。しかし朝から焼きそば定食を食べるほど空腹なわけでもない。素直に50円引きの単品注文にしておいた。
注文を受け、奥の厨房から炒める音が聞こえてきた。この日は土曜日で先客は2人。ボックス席でモーニングセットを食べながら、新聞を読んでいる。後から来た客も当たり前だがモーニングセットばかり。「モーニングのCセット、アイスコーヒーで」という注文を、ホール担当の女性が「シーレーコー!」と厨房に通している。なるほど「C冷コー」か。こういう符丁、楽しいなあ。
「おまたせしました、モーデン焼きですー」
しばらくして湯気がもうもうと立ち上る鉄板が運ばれてきた。麺は太い茹で麺。生麺ではないと思うがモチモチ食感でいかにも大阪風だ。具は大きめにカットされたキャベツと豚肉。そして生卵のトッピング。構成要素は少ないけど、まさにシンプル・イズ・ベスト。見るからに美味そう。
味付けは甘口のソース。やや濃厚な風味でスパイシーでもある。定食が推されているだけあって、この焼きそばもご飯が欲しくなる系の品だ。キャベツにしっかり火が通っていて甘いのも自分好み。レベル高いなー。
玉子を崩して絡めるのももちろん美味い。さらに鉄板が熱々なので、底の方ではソースと混ぜこぜになって焦げ始める。それが香ばしくて堪えられない。朝からソース焼きそばというのも何だが、たまにはこういうのもありだな。むしろ定食にしても良かったかも。
食後にホットコーヒーもいただいて、ほっと一息。昔ながらの喫茶店という雰囲気で、居心地の良い店だ。モーデン焼き単品(750円)にコーヒー(350円)で1100円のつもりだったが、コーヒー付きのモーデン焼き定食=800円の方で会計してくれたのも嬉しい。同商店街にあるスーパー玉手ともども、近所に欲しいなあ。
あ、そういえば冒頭の質問。今回の関西遠征を終えて数えたら、3日間で焼きそば8杯食べていた。結局、ほぼ1日3食やん……
店舗情報 | TEL: 06-6351-2436 住所: 大阪府大阪市北区天神橋4-11-13 営業時間: 8:00~21:00 定休日: 火曜 → ホームページ |
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主なメニュー | 名物モーデン焼き定食 800円 ※単品は50円引き わらじナポリタン 800円 |
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