ヤキソバ酒場

有楽町の高架下にあった後楽そば。立ち食いそば屋なのだが焼きそばが名物として長年親しまれてきた。惜しまれつつ閉店したのは2016年5月27日のこと。

その2年後、2018年3月3日に五反田で復活した。しかし新型コロナの流行の最中、2020年12月にまたもや閉店してしまった。もう食べられないのか……と多くのファンが悲嘆にくれた。

そんなあなたに朗報である。2023年11月、後楽焼きそばが新大久保で再復活を遂げた。

新大久保駅ビル3階へはエレベーターで

場所は新大久保駅の駅ビル3階。「K,D,,C,,, FOOD HALL」という小さなフードコートだ。改札を出ると左手にエレベーターがあるので、それで登ろう。

K,D,,C,,, FOOD HALL

その小さなフードコートに『ヤキソバ酒場』という店がある。そこの看板メニューが例の「後楽焼きそば」なのだ。

ヤキソバ酒場

WEBメディア・新宿経済新聞の記事によると、店主の矢澤洋さんが後楽そばの元職人さんと出会い、その方の監修の下であの味を再現したそうだ。

遺されていた貴重なお皿

後楽そばを運営していた会社の許可も得ているそうで、遺されていた貴重なお皿も一枚、店頭に飾られている。うーん、なんとも懐かしい。

ヤキソバ酒場 メニュー

メニューには後楽焼きそばに関する説明が載っている。『ヤキソバ酒場』という店名の通り、焼きそば以外にお酒も呑めて、ちょっとしたつまみもある。

小野瀬さんのサイン色紙も

ちなみにクレイジー・ケン・バンドの小野瀬さんはプレオープンで訪問済み。私もオープン直後に訪問したのだが、まだお店が落ち着いてなさそうだったので、ブログへの掲載を控えていた。

後楽焼きそば 650円

3度目に訪問したこの日は、レモンサワー(450円)と後楽焼きそば(650円)をいただいた。麺はもっちりした特注のニ度蒸し麺。ソースは岡山のタテソース。具はひき肉、揚げ玉、モヤシ、キャベツ。青海苔と紅生姜。食べてみると実に懐かしい味わいだ。こうして再び味わえる日が来るとは、感無量である。めっちゃウメーン!

具が豪華になっている

ただ具の方は有楽町や五反田の頃より豪華になっている気がする。ひき肉が多めでキャベツも大ぶりだ。麺とソースの味わいはとても良く再現されているので、おそらく具も完全再現できるのだろう。しかし、あえて少しリッチな方向へズラしたのではないかと思う。

ソースあとがけも旨し

そもそも消費者の味覚や嗜好性は、時代で大きく変わってしまう。老舗ですら客にそれと悟られないように味は変化をつけている。そうでなければ長続きしない。また、具を豪華にすることは単価を上げることにも繋がる。

スパイスもいろいろ用意されてます

個人的にこれまであちこちで昔の味を復活させる事例を見てきたが、昔ながらの味そのままでは失敗することが多い。軸足は動かさずに、眼の前のお客さんを満足させる味を粘り強く模索するのが大事なのだろうなあと思う。

そんなこんなで復活した後楽焼きそば。ぜひ味わいに行ってみてほしい。なお日曜と月曜が定休日なので、訪問の際はご注意を!

店舗情報住所: 東京都新宿区百人町1-10-15 JR新大久保駅ビル 3F
営業時間:12:00~21:00
定休日:日曜・月曜
主なメニュー後楽焼きそば 650円
レモンサワー 450円