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松原屋

四日市市の富田一色から、もう一軒は松原屋という駄菓子屋さん。前回のまつしんから300mほど離れた住宅街にある。

四日市市 富田一色 松原屋

まつしんを出たその足で直接訪ねてみたのだが、偶々その日は月曜で定休日と店主のおばちゃんに告げられた。日を改めて3日後のお昼時に再訪。我ながら焼きそばとなると執念深い。

店に着くと暖簾も何も出ていない。しかし営業しているっぽいので「こんにちはー」と入店。こないだのおばちゃんが「はい、いらっしゃい」とお出迎え。

「月曜にも来てくれたな?」 
「はい」

客席はテーブル1卓のみでそれを囲むように駄菓子が並べられている。右手の鉄板前にも椅子があるが、いかにも駄菓子屋といった雰囲気。先客は80になるという地元のおばあちゃん。大盛りの焼きそばを食べていた。テーブルに相席させていただいてメニューを眺める。

松原屋 メニュー

メニューは焼きそばとお好み焼きのみ。お好み焼は130円、焼きそばは190円からとまるしんとほとんど同じ価格設定だ。まさか談合……いやいやいや、談合ならもっと値上げするってば。

「なんにする?」
「デラックスのそば(390円)で」
「大きさは?」
「うーん、普通で良いです」
「玉子は目玉? 包むか?」
「目玉で」

注文した後にメニューを見直して、自分の間違いに気付いた。

"超"デラックス!?

しまった。デラックスではなく、"超"デラックスが正しかった。まさかそんなところでまるしんとの差別化を図っていたとは。失敗失敗。

なんて冗談はともかく、おばちゃんは早速鉄板で調理を開始。焼いている合間にお冷ならぬお白湯を出してくれた。5分ほどで出来上がり。

超デラックス焼きそば 390円

麺はまるしんと同じく白い中太の茹で麺。駄菓子屋らしく量は控えめ。具は肉、イカ、キャベツ。目玉焼きは半分に畳まれていた。半熟具合と麺の量に合わせたのかな。

味付けはコショウと削り粉のみ。カゴメソースの瓶を傾けて「の」の字を描く。さっぱりした酸味とモチモチした食感がたまらない。ぺろりと軽く平らげてしまった。うーん、大盛りにしておけば良かったなぁ……食べ歩きでつい並を頼む癖がついてしまった。ま、また来れば良いか。

「ごちそうさま、美味しかったです」
「ほんまか、ありがとうね。またいつでもきてや」

おばちゃんに見送られつつ退出。それにしても何故この町でソース後掛け焼きそばが定着しているのだろう。不思議だ。

富田一色 飛鳥神社

余談になるが、この辺は風情のある蔵や民家が立ち並んでいて、それらを眺めて散歩するだけでも楽しめる。お盆には富田一色飛鳥神社の祭礼として荒々しいけんか祭りがあるそうな。その時期にも一度来てみたいなあ。


ソース後掛け&塩焼きそば特集の第三弾、いかがでしたでしょうか。注目されていない焼きそば文化がまだまだあるものですね。

さて次回からは全国のコナモン屋をテーマにお送りします。以前、西日本のコナモン屋を特集したことがありますね。あんな感じで書き連ねます。お楽しみに。

松原屋

店舗情報TEL:059-365-2961
住所:三重県四日市市富田一色町10-10
営業時間:昼から夕方
定休日:月曜
主なメニュー焼きそば
 小 190円 大 350円 特大 510円
 玉子入り 小 230円 大 390円
 肉入り  小 260円 大 420円
 イカ入り 小 260円 大 420円
 肉・玉子入り 小 300円 大 460円
 イカ・玉子入り 小 300円 大 460円
 肉・イカ入り 小 350円 大 500円
 デラックス 小 390円 大 540円

お好み焼 130円
 玉子入り 170円 肉入り 210円
 イカ入り 210円 肉・玉子入り 250円
 イカ・玉子入り 250円 肉・イカ入り 300円
 デラックス 350円 松原屋特製焼 400円