鈴木食堂
仙北市角館の武家屋敷通りから見て東側の通り沿い、県立角館高校・通称北高のほど近くに鈴木食堂という店がある。大曲由来の食文化が角館にも及んだのだろうか、こちらの記事を読んでカレー焼きそばがあると知り訪ねてみた。
頃は1月中旬の日曜、お昼時。前日まで大雪でJRのダイヤも乱れまくっていたという状況で、角館も雪に埋もれていた。真っ白な武家通りをざっくり眺めてから目的の店へ。鄙びた外観に暖簾が掛けられているのを見て安心した。
お店の中はテーブルがいくつか置かれ、客席数は20くらいか。優しそうなご夫婦で切り盛りされているが、旦那さんは私と入れ違いで雪かきに出て行った。「どうぞ休んでください」と奥さんに促され、温かい薪ストーブ近くの席に腰掛ける。
メニューは麺類と丼物が中心。カレー焼きそば以外にも天ぷらラーメンなんて心惹かれる品がある。北高生向けなのか学割が効くメニューもあった。「学生さん発明欲張メニュー」という別枠にはカツカレー焼きそばなるものも記載されていた。よし、これにしよう。
奥さんから温かいお茶を受け取ってカツカレー焼きそば(650円)を注文。しばらくして厨房からフライパンで炒める音が聞こえて来た。カツを乗せて鍋で温めたカレールーを掛けて……
「はい、お待たせしました」
これはまさに昔ながらの食堂のカレー。黄色くてジャガイモごろごろ。おまけに天辺のグリーンピース。完璧だ。どれ、いただこう。
焼きそばは一般的な中細の蒸し麺。具はキャベツ、モヤシ、人参、玉葱、豚肉。あっさりめのソース味でトロトロ円やかな田舎カレーを受け止めている。カツはこぶりだが主張が強くないのがむしろカレーと焼きそばに合う。サクサクで美味。付け合せの白濁した豚骨スープはさっぱりした味わい。サービスでいただいた大根の御新香も美味しかった。
食べ終わる頃に旦那さんも戻ってきた。今シーズンは平年より早く雪が積もり始めたそうだ。
「また、ぜひお越しください」
丁寧に見送っていただいて恐縮しきり。店内には北高卒業生から感謝の色紙が貼られていた。地元で愛される店なのだなあ。
ちなみにすぐ近くに「かじか瀬(かじかせ)」という喫茶店があり、そこでもカレー焼きそばを提供しているそうだ。そちらも寄るつもりだったがこの日はたまたま休みだった。まあ、また来る機会もあるだろう。
食後は角館の武家屋敷通りを散策。夏に一度来たことがあるが、雪に包まれた様はまた格別の趣があった。雪国は雪の時期に来る方が本当の姿を見られるのかも知れないな。
店舗情報 | TEL:0187-55-1735 住所:秋田県仙北市角館町細越町32 営業時間:不明 定休日:不定休 |
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主なメニュー | カツカレー焼きそば 650円 かけそば、かけうどん 350円 カツ丼 600円 チキンライス 500円 中華そば 400円 天ぷらラーメン 450円 焼きそば 400円 目玉焼きそば 500円 カツカレーうどん 500円 |
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