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松屋商店

さいたま市の与野に、松屋商店という富士宮焼きそばのテイクアウト専門店がある。営業は土日だけ。なかなかタイトな条件だが、同市内の岩槻でトークイベントに出演することになったので、前日に前乗りして寄ってみることにした。

与野本町駅前のレンタサイクル

松屋商店を訪れたのは2月下旬の土曜のこと。最寄り駅はJR与野本町駅だが、割と距離があるので、hello cyclingというアプリで自転車を借りることに。こういうレンタサイクルのアプリサービスを使ったのは、アメリカのセイラムが初めてだったなー。懐かしい。

与野 本町通り 松屋商店

与野本町駅から県道119号・宗岡さいたま線を西へ進み、立派な塔のあるお寺=円乗院の門前を右折すると本町通りだ。その通り沿いに富士宮やきそばの幟がはためいていた。ここが松屋商店だな。

松屋商店 店内の様子

自転車を停めて、店内へ入ると男性の店主さんが「いらっしゃいませ」と迎えてくれた。打ちっぱなしの壁には麺許皆伝書とメニューが張り出されている。ご存じの方も多いだろうが、「富士宮やきそば」の幟を掲げるには富士宮やきそば学会で講習を受けなければならない。麺許皆伝書とはその証明証のことだ。

松屋商店 メニュー

メニューは富士宮やきそばのみで、並・中・大の3サイズがある。中は並の1.5倍、大は2倍の麺量だ。このあと連食を予定していたので、控えめにしておこう。並500円を注文し、椅子で出来上がりを待つ。店主さんは鉄板に火を入れて、調理を開始した。

注文ごとに鉄板で調理

熱した鉄板に油を引き、キャベツと肉かすを乗せて炒める。キャベツがしんなりしたところで麺と青ネギを加えて、水を適量差す。麺をほぐしつつ混ぜ炒め、ダシ粉とソースで味付け。パックに詰めて、紅生姜を添え、最後にもう一度ダシ粉を掛けてできあがり。

ところで店舗の外装や店主さんのユニフォームには、「松屋商店」だけでなく「ピノカフェ」というロゴもある。どういう関係かと尋ねてみたら、もともとここでカフェをやっていた時の名残らしい。なるほど、内装がおしゃれなのはカフェだったせいか。ちなみにピノ(Pino)はイタリア語で「松」を意味する。

「ありがとうございました」という声を後ろに、焼きそばの入った袋を携えて店を出る。さて、食べる場所だが、あらかじめ少し離れた場所にある与野公園に目星を付けていた。自転車の前かごに焼きそばを乗せ、えっちらおっちら移動した。電動補助自転車は楽だなあ。

お茶を購入してベンチに着席

与野公園にもレンタサイクル置き場がある。そこに自転車を返却し、自販機でお茶を購入。手頃なベンチに腰掛けた。この週は寒い日が続いていたが、幸い週末は春の陽気に恵まれていた。公園での野外ランチには最適な気候だ。パックにはできたての焼きそばがぎっしり詰まっている。ではでは、いただきます。

富士宮やきそば 並 500円

麺は曽我めん。松屋商店さんの店頭に、富士宮やきそばの幟と並んで、曽我めんの幟も立っていた。4種類ある公認の麺の中では、もっとも太く、モチモチした食感が特徴だ。ソースはやや甘めかな。テイクアウトだとお子さんが食べる機会も多いだろうから、マイルド寄りにアレンジしているのかもしれない。

曽我めんのモチモチ食感が美味しい

具は肉かす・キャベツ・青ネギ。この肉かすから滲み出す脂、ラードの味わいが富士宮やきそばの味わいに厚みをもたらしてくれる。ダシ粉は青のりが混じってないタイプ。静岡県西部出身の自分にとっては、このタイプの方が馴染みがある。

肉かすは小さくても存在感あり

歯応えある独特な麺と定番の具を使った王道的な富士宮やきそばで、とても美味しかった。本場の味がこうして手軽に楽しめると、与野周辺に焼きそば好きが増えてくれそうで嬉しい。ご近所にお住まいの方はぜひ一度ご賞味あれ。

店舗情報住所: 埼玉県さいたま市中央区本町西3-1-32
営業時間: 土日のみ 11:30~14:00, 17:30~19:30
定休日: 月~金
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主なメニュー富士宮やきそば 並 500円~