一笑

2014年3月23日

最近、知名度が上がりつつある愛知県の「瀬戸焼きそば」。かつて存在した福助という人気店の味を継ぐのが今回紹介する一笑というお店だ。

瀬戸市街の宮前地下街(地上だけど)、同じく瀬戸焼きそばを商う大福屋の一軒挟んだ左隣に福助は店を構えていた。8年ほど前に店主が急逝されて廃業したそうだが看板は今も残っている。一笑はその店主のお姉さんのお孫さんが始めた店で、かつての味を再現しようと奮闘中らしい。

瀬戸市本郷町 一笑

一笑は瀬戸市街中心部から4㎞ほど離れた郊外、イオン瀬戸みずの店の近くにある。訪れたのは約一年前、平日の昼過ぎ。基本的には持ち帰り専門だが、プレハブの調理場の横に葭簀で囲まれたイートインスペースが用意されている。四脚ある椅子は全て先客で埋まっていたが、すぐに二人組が帰った。

鉄板で麺を炒めているイケメンのお兄さんが件のお孫さんだろう。それとこちらも血縁者だろうか、もう一人少し年上の男性店員も居た。メニューは焼きそば350円と大盛500円のみ。焼きそばの並350円をお兄さんに注文。

「10分ほど掛かりますがよろしいですか」
「ええ、いいですよー」

代金を先に払って空いた椅子に腰掛けて待つ。テーブル代わりの折り畳み長机の上に調味料の類は何も無い。お冷も用意されていないので自販機でミネラルウォーターを購入した。そして待つこと10分余り。「お待たせしましたー」と白いパックと割り箸、タレの入った小さい容器を渡された。

白いパックに醤油ダレ、割り箸

瀬戸焼きそばの一番の特徴は、豚肉を煮た甘辛い醤油だれによる味付けだ。蓋を開けるとその醤油だれの甘辛い香りが立ち込めた。食欲をストレートに刺激する香りだ。さて、いただこう。

焼きそば 並 350円

麺は細めだが少しコシがある。キャベツと豚肉が具として使われ、紅生姜の微塵切りが隅っこに添えられている。全体的に具は僅かで麺が主体の焼きそばだ。一本一本が比較的短いのは調理方法によるものだろうか。食べ始めると口当たりが良く胃の奥へスルスルと入ってゆく。ソース焼きそばとは一味違う円やかな味わいだ。なるほどこれは美味い。追加のタレを掛けると醤油の風味が増す。どこへ出しても通用する味だ。ボリュームがあって食べ終えたときの満足度も高かった。

地元民に支持された味と、それを復活させた意欲的な若い店主。きっと瀬戸焼きそばを代表する人気店になることだろう。

焼きそば一笑

店舗情報TEL:非公開
住所:愛知県瀬戸市本郷町294
営業時間:11:00~19:00
定休日:木曜日、第4水曜日
主なメニュー焼きそば 350円 大盛 500円