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都屋

6年ほど前に、天童の広野屋という食事処を紹介したことがある。売り物は焼きそばと煮込みだけという、かなり個性的な店だった。そして実は天童にはもう一軒、広野屋と同じく、焼きそばと煮込みが人気の店がある。それが今回の目的地、都屋だ。果たして焼きそば自体の内容も似たタイプなのか。興味が湧いて確かめに行ってみた。

天童市 お食事処 都屋

都屋は、天童市街の中心部から、県道23号線を西へ3㎞ほど進んだ郊外にある。米沢の桂町さっぽろを出て、天童の都屋へ到着したのは12:40頃。幸いこの頃には雨は止んでいた。入り口右側の窓枠には大きな将棋の駒=飾り駒が置かれている。うむ、さすが天童だ。将棋推しにブレがない。

都屋 店内の様子

店内はかなり広く、客席は座敷席が6卓、テーブルが4卓用意されている。土曜の昼時で、半分ほどの入り。座敷にある豊富な漫画本が魅力的だったが、靴を脱ぐのが面倒なのでテーブルに着席した。

天童市 都屋 メニュー

さてメニュー。広野屋と違って、焼きそば・煮込み以外にラーメンやご飯ものもある。客の注文はラーメンと焼きそばが半々くらい。煮込みはほとんどの人が頼んでいた。壁の貼り紙で「苦節30年!/煮込み定食」と謳っているだけあって、こちらの一押しなのだろう。創業もだいたい30年前くらいのようだ。

注文したのは焼きそばと煮込みのセット(900円)。焼きそばは単品だとジャンボ焼きそば(650円)という品名で、わざわざ「大盛」と但し書きがされていた。セットの方はたぶん並盛なんだろうなあ、なんてふんわりと思って待つこと7分ほどで配膳された。あ、これ量多いわ。

焼きそばと煮込みのセット 900円

お盆には焼きそばと煮込み、スープ、おしんこが乗っている。煮込みは小さめの丼というか、大き目のお茶碗というか、それくらいの大きさ。焼きそばは麺を2玉くらい使っていそうなボリューム感。たぶん「大盛」と但し書きされている単品の焼きそばと、全く同じ量だと思われる。

焼きそばはかなりの盛り具合

麺は軽いウェーブが掛かった中太の角麺だ。お店で蒸しているのか、ややごわっとしたコシがある。具はキャベツとモヤシ。わずかに人参が混じっているが、肉はない。そして青海苔と紅生姜、薄焼き卵がトッピングされている。

中太の角麺で薄味仕上げ

味付けは薄味のソースで、しっとり仕上げだ。広野屋と同じく都屋もソースが付いてきて、客が自分で味を調整するソース後掛けスタイルである。ソースは酸味強めの濃厚ソースで、銘柄は未確認。東北だとブルドックソースのシェアが圧倒的だが、同社のとんかつソースはこんなに酸っぱく無かったはずなので、カゴメとかかなあ。

こちらもソース後掛けスタイルです

焼きそばの味を確かめながら加減を調節してソースを足す。ソース後掛けはカスタマイズができるのが楽しい。酸っぱめの味わいが好みなら、かなりたっぷり掛けてもOK。ちょうど良い塩梅を見つけよう。

そしてもう一つの名物、煮込みも美味い。牛スジが醤油味で丁寧に煮込まれていて、とろっとろ。七味を掛けても美味い。この時期のバイク旅は寒さが身体に堪えるのだが、芯の方から温まる。

名物の煮込みも美味しい

付け合せのスープはあっさり風味。大根の葉のお漬物は東北らしく塩気が効いてる。どの副菜も焼きそばに合って、たっぷりの麺をモッサモッサと手繰るのが楽しい。量は多いが、焼きそばと煮込みのどちらも美味しく、全部すっかり平らげた。桂町さっぽろから1時間半程度での連食なので超満腹だ。

広野屋の焼きそばは、麺の形状がもっと平たかった。具に魚肉ソーセージや紅生姜も使われていたが、都屋ではそれも見当たらず。ただ、薄味でソース後掛け、そしてボリューム満点なのは共通している。異なる点もあれば似ている点もあり、実際に来ないと分からないことばかりで面白い。たくさんの人に食べ比べてみて欲しいなあ。

都食堂

店舗情報TEL: 023-654-1506
住所: 山形県天童市蔵増乙910
営業時間: だいたい15時くらいまで
定休日: 不定休
ホームページ
主なメニュー焼きそばと煮込みセット 900円
ジャンボ焼きそば 650円