きみはん 五反田店
今週はラーメン店が提供している焼きそばをご紹介します。それも比較的ガッツリ系! まずは五反田のこちらからー。
東池袋大勝軒で生まれたつけ麺を、一躍ブームに押し上げたつけ麺TETSU。現在は首都圏を中心にチェーン展開しているが、そのブランドのひとつ、江戸前煮干中華そば「きみはん」の五反田店で焼きそばを出しているそうな。そのことを最近知って早速訪れてみた。
訪問したのは5月下旬、平日の午後1時ころ。ちなみにこの翌日に入手した雑誌・東京カレンダーの焼きそば特集で、まさにこの店が紹介されていた。「わっ、先を越されてしまった」と少し悔しくなったのはここだけの話。ちっちゃな男なのです、はい(笑)
JR山手線のガード下に近づくと生ぬるい風とともに煮干の香りが漂ってきた。注文は食券制で券売機は店の外に置かれている。千円札を入れて目的のボタンを探す。「きみはんのやきそば/750円」これだ。ポチっとな。
客席は横に長いL字カウンターで10席ほど。ランチタイムもピークを過ぎて客席の半分ほどが空いていた。お冷と引き換えに食券を見せて待つ。カウンター上のお品書きには、次のようにやきそばの説明が書いてあった。
店主が子供の頃、父親によく連れて行ってもらった街の中華屋さんの看板メニューを記憶を辿りながら作りました。
「ほう……店主はどこの出身でなんて店に行ってたんだろう?」
興味はとりあえず置いといて調理の様子を眺める。焼きそばは中華鍋を使用。この店は、つけ麺専門店には珍しくチャーハンもやっていて、そちらでもこの中華鍋が活躍するらしい。モヤシを軽く炒めて、茹で上げた麺を投入。ざっとかき混ぜ、タレなどで味を整えて丼に盛りつけ。花がつおと紅生姜をトッピングして出来上がり。
麺は縮れた極太麺。東京カレンダーの記事によるとつけ麺とは別に焼きそば専用の麺を使っているそうだ。具はモヤシ、メンマ、目の細かい豚挽肉。トッピングに紅生姜と花がつお。麺はモチっとした食感で、さすがに上等な食べ応え。モヤシとメンマのシャキシャキ感も楽しい。
味付けはソースか中華系かと思ったが全く違った。東京カレンダーによると塩ダレやラーメン出汁が使われているようだが、単なる塩味ではない。煮干由来の深いコクがベースなのは明らかなのだが、何味と呼ぶべきか考え込んでしまう複雑な味わいだ。豚挽き肉も風味と食感にアクセントを加えている。煮干の臭みは一切無く、麺と旨味で真っ向勝負という印象を受けた。
つゆだくなのもこのやきそばの特徴だろう。深い丼の底にはタレが溜まっていて、食べる前によく混ぜた方が良さそうだ。麺を中華鍋で炒めてはいるけど、スタイルとしては和えそば・油そばに近いかも知れない。とても独特な美味しさでボリュームも充分。胃袋も好奇心も満たされた一杯だった。
「きみはん」は本店と五反田の2店舗が展開しているが、焼きそばがあるのはここ五反田店のみ。興味のある方はぜひ一度訪れてくださいまし。それにしても店主が子供の頃に食べたという中華料理店が気になる。機会があれば訊いてみたいなあ。
店舗情報 | TEL: 03-3491-2005 住所: 東京都品川区東五反田2-1-1 JR五反田駅高架下 営業時間: 11:00~翌4:00(日曜は23:00まで) 定休日:無休 → ホームページ |
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主なメニュー | きみはんのやきそば 750円 |
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