野郎ラーメン 中目黒店

ラーメン二郎インスパイア系の中でも、独自の戦略を多々試みているせたが屋グループの野郎ラーメン。その支店のひとつ、中目黒店で焼きそばを提供していると知ったのはしばらく前のこと。さらにさらに何故かそれにパンを付けたセットまであるそうな。なんだそりゃ、食べなきゃ!

野郎ラーメン 中目黒店

5月下旬、平日の22時近く。中目黒駅の正面改札を出て、山手通りを少し北へ進むと、墨痕鮮やかな「野郎ラーメン 中目黒本店」の看板が現れた。店内は奥に長い造りで、カウンター席がずらっと並んでいる。一番奥にはテーブルもあるらしいが未確認。

野郎ラーメン 中目黒店 券売機

注文は食券制。かなり奥まった場所にある券売機に千円札を入れて焼きそば、正確には「茹でやきそば」の文字を探す。……が、みつからず。

「あのー、焼きそばが券売機にないんですが」
「あ、すみません、口頭で大丈夫っす!」
「じゃ、茹でやきそばの豚玉入り(880円)、パンセット(+120円)で」
「時間掛かりますがよろしいですか?」
「いいですよー」

焼きそばなどのお品書き

食券ならぬ現金を渡して手近なカウンターに着席。券売機の後ろにぶら下がっている品書きによると、カレー茹でやきそば(850円)というのもあるらしい。が、まあ今日のところはノーマルのソース味でよいだろう。

野郎ラーメン 店内の様子

野郎ラーメンは炒めた野菜=焼き野菜をトッピングで選べるのも特徴のひとつとされていて、それ用の中華鍋も置かれている。しかし焼きそばは中華鍋ではなく、その横に設えられた鉄板で調理していた。右手にトングと左手にコテを持ち、茹で上げた麺を炒め、中華鍋で炒めたもやしを乗せ、さらに豚肉や玉子を焼き上げてトッピング。パンを添えて出来上がり。

茹でやきそば 豚玉入り 880円 + パンセット 120円

器はかなりデカいステンレス製の銀皿だ。麺は二郎系ではおなじみのオーションを使ったゴワゴワの極太麺。鉄板で炒めてあるが焼き目はついていない。その上に野菜。大量のモヤシと僅かなキャベツと数本のニラは、たぶんラーメンの焼き野菜と同じ構成だろう。さらに大きな豚肉が3切れと、目玉焼きのトッピング。左脇に紅生姜、そして右にコッペパン。パンセットなのでパンがあるのは当たり前なのだが、違和感は否めない。

オーションを使ったゴワゴワ麺

味付けは甘めのソースで、ものすごく濃い。シズル感を通り越してビシャビシャというか、ここまでしなくてもとも思うが、まあこれがこの店の流儀なのだろう。素人考えに過ぎないけど、麺・スープ・具、それぞれの自己主張の強さで、「毒を以って毒を制す」的なバランスを指向するのが二郎系なのではあるまいか。ま、今回はスープじゃなくてソースなのだが。

パンに挟んでいただきます

さて肝心のコッペパン。上下二つにスライスしてあり、断面がカリッと焼かれている。これに焼きそばを挟んで焼きそばパンとして召し上がれ、という趣向なわけだ。麺の長さに難儀しながら少量を乗せ、肉と紅生姜も一緒にサンドしてかぶりつく。ふむ、これはなかなか旨い。濃い味付けがパンで中和される。ただパンはそんなに大きくないので3口ほどで平らげてしまった。パンセットと言っても、あくまでも焼きそばが主役でパンは添え物なのだろう。なお食べる際にどうしても手が汚れるが、目の前にティッシュが箱で置かれているのでその点は安心だ。

味付けの濃さが後半ツラい……

パンを食べ終えた段階で、焼きそばは半分以上残ってる。二郎系らしくボリューミーなのは嬉しいけど、元の味付けが濃すぎて味変を楽しめないのが惜しい。終盤は目玉焼きの黄身を絡めたりしつつ完食。食べ終えた皿を上げ、「ごちそうさま」と告げて店を出た。喉が渇いて痰が絡むが、その辺は覚悟の上なので良しとしよう。

万人には薦めづらい品だが、試みとしてはなかなか興味深い一皿だった。二郎インスパイア系の焼きそば的な品だと、以前紹介した肉汁らーめん公の焼らーめんを思い出す。味付けは全く異なるが、食べ比べてみるのも面白いかも知れない。あっちはさすがにパンセットはないけどね。

野郎ラーメン 中目黒店

店舗情報TEL: 03-3710-7086
住所: 東京都目黒区上目黒3-1-4 グリーンプラザ 1F
営業時間: 10:30~翌03:00(日祝は23時まで)
定休日: 無休
ホームページ
主なメニュー茹でやきそば 730円
 豚玉入り 880円
 パンセット 850円

カレー茹でやきそば 850円
 豚玉入り 1000円