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福来軒

今週で締めとなる東京近辺にある広東料理の老舗特集……と言いつつ、またも広東料理ってわけではないのですが、まあ広い心でお読みください。


立川の諏訪神社のすぐ近くに福来軒という中華料理店がある。創業は大正元年(1912年)。百年を越える老舗だが食べログの口コミは少ない。自分も最近まで知らなかった。

大正元年創業 立川市 福来軒

3月上旬、立川駅の南口から地上に降りて徒歩10分。諏訪神社に隣接する空手道場・錬成館の手前に目的の店舗がある。屋号を染め抜いた暖簾を潜って入店。

福来軒 店内の様子

喫茶店を思わせる意外にモダンな内装で落ち着いた雰囲気だ。客席はテーブルのみで8卓ほど。先客2組。どちらも地元ではなさそうな年配のグループだった。

創業当時の写真かな

創業当時のものだろうか、レジの後ろの壁にモノクロの写真が飾られていた。古い店舗の暖簾には「アイスキャンディ」の文字が読める。

福来軒 メニュー

メニューは中華系の麺類が中心で、それに餃子や飯物、幾つかの単品が並んでいる。玉葱ラーメンは八王子ラーメンの影響だろうか? 焼きラーメンも気になる。

店頭の看板

私の目的の品は揚げ焼きそば(860円)。店頭の看板で「創業以来の人気と味」という売り文句が掲げられていた品だ。注文して待つこと7~8分。屋号入りの皿が、ピッタリサイズのお盆に載せられてやってきた。

揚げ焼きそば 860円

麺はカリカリに揚げられた茶色い太麺。提供までの時間や温度からすると事前に揚げてあるのだろう。餡の具はキャベツ、モヤシ、ニンジン、白菜、小松菜、木耳、豚肉、イカとエビ。さらにトッピングでゆで玉子のスライス、コーン、グリンピース。老舗中華らしいのか、らしくないのか、雑多かつ華やかな彩りだ。

カリカリの麺と色とりどりの具が美味しい

味付けは塩コショウベースでやや塩っぱめ。老舗らしい無難な味わいだが、種々のトッピングがちょうど良いアクセントになる。カラシや酢を好みで混ぜるのも良い。特に酢は適度に塩っけが軽減されてオススメ。ボリュームはほどほど。餡の汁気が少なく粘度も高いので最後まで麺はカリカリのままだった。

南立川 諏訪神社

都心から離れた地でトッピングが独自にアレンジされたガラパゴス的な品だけど、ベースの味は老舗中華の王道。価格の割りに具も色とりどりで美味しい焼きそば。そんな印象を抱きつつ、食後は諏訪神社を参詣した。

福来軒

店舗情報TEL:042-527-3928
住所:東京都立川市柴崎町2-18-7
営業時間:12:00~16:00 17:00~20:00
定休日:不定休
主なメニュー揚げ焼きそば 860円
焼きラーメン 800円
ソース焼きそば 650円

中華そば 620円 大盛 800円
玉葱ラーメン 700円 ワンタンメン 800円
焼き餃子 4個 370円 6個 550円 9個 820円