たいやきや
静岡県西部の焼きそば特集の最後は大井川の川根町から。西部か中部か、微妙なエリアですが中遠ニンニク系(仮称)ということで。
SLで有名な大井川鉄道。その家山駅にたいやきやという店がある。屋号の通り、抹茶味のたいやきが50年来の名物なのだが、焼きそばとおでんも同様に長年親しまれてきた。この焼きそばにもニンニク粉が使われているそうな。
訪れたのは4月上旬。瑞々しい緑色の茶畑に包まれた大井川を遡り、川根町へやってきた。地図を頼りに路地を歩き、目的のたいやきやを発見。趣のあるシックな店構えだ。入ってすぐにおでん鍋とテーブル1つ。その奥が厨房で、男性店主が持ち帰りの接客をしていた。
奥は飲食スペースになっていてカウンターが10席と小上がりが3卓ある。家族連れがたいやきを食べながら焼きそばを待っている。自分もカウンターに腰掛けてメニューを拝見。
メニューには前述の3品の他にラーメン・冷ラーメンが載っているが価格不明。たいやき・焼きそば・おでんは50年来の味だそうだ。
「いらっしゃいませ、なんにしましょう?」
「やきそば(450円)と、あと持ち帰りでたい焼き(140円)を一つ」
「やきそばとたい焼きですね」
「おでんは勝手に食べていいんですかね?」
「はい、どーぞー」
見繕った串は手前からジャガイモ(80円)、練物セット(80円)、ガツ(豚の胃袋、100円)。鍋の中だとジャガイモと玉子の区別がつきにくいので要注意。自分は間違えた。味が滲みてて美味いからまあいいか。
ちなみにここのおでんは掛川と違って鶏皮はなく、ダシ粉に青海苔も混ざっている。大井川線新金谷駅の「かんとんや」や、佐夜鹿の小泉屋辺りとおでんの違いを楽しむのも面白そうだ。
おでんを選んでいる間に焼きそばも運ばれてきた。先客の分のついでもあって素早くできたようだ。どれ、いただこう。
麺は中細で軟らかめ。具は豚肉にキャベツと菜っ葉(野沢菜かな?)、細かな桜海老も入っている。濃い目のソースが掛けられた上から刻み海苔とスリ胡麻がトッピングされ、脇に紅生姜が添えてある。ダシ粉でなくスリ胡麻なのが意外だった。
麺の味付けは薄めだが海老の風味に隠し味のニンニクパウダー、上から掛けた濃厚ソースと相まってガツンとくる味だ。店主によると50年前からニンニクを使っていたらしい。量はほどほどなので、おでんやたい焼きと合わせて食べるとちょうど良い。
このお店、以前紹介した天竜二俣の大判屋を何となく思い出してしまう。ロケーションから屋号までなんとなく似かよっている気がするのだ。大判屋も塩だれとキムチだれの焼きそばにはニンニクを使っているとのことだが、いつか食べ比べてみたい。
食後は3㎞ほど先にある川根温泉の日帰り湯へ。入浴後に休憩所で川根茶と一緒に件の抹茶たい焼きを頬張った。
羽根が大きなたい焼きで、ほんのり塩味も利いた美味しいたい焼きだ。ただ時間が経っていたため生地が湿気てしまったのは残念。やはりその場で食べるのが最善だな。
ようやく終わりました静岡県西部の焼きそば特集。中部、東部とさらにディープなお店が点在するのですが、またそれはいつか。あ、中遠エリアで他にもニンニク系の焼きそばをご存知の方は教えてくださると嬉しいです。(気付かずに既に食べている店もありそう……)
さて、次のテーマはあんかけ焼きそば! 北から南までたっぷりご紹介する予定です。ご期待くださいませ。
店舗情報 | TEL:0547-53-2275 住所:静岡県島田市川根町家山668-3 営業時間:10:30~15:30 定休日:木曜・第3日曜 → ホームページ |
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主なメニュー | やきそば 450円 たい焼き 140円 おでん 玉子、ガツ 100円 他 80円 |
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