精陽軒
東京近辺にある広東料理の老舗特集、2週目! ……と言いつつ、今回紹介する店は特に広東料理に特化しているわけではありません。が、大正時代創業の中華料理店は基本的に広東料理がベースになっているはずなので、この機会に取り上げておきまする。
渋谷の青山学院大学の近くに精陽軒という中華料理店がある。「精"養"軒」ではなく「精"陽"軒」なので要注意! 創業は1914年(大正3年)。昨年満100年を迎えた老舗だが、本格的な中華料理店というよりは雑多な中華系メニューを気軽に味わえる大衆寄りの店である。
訪れたのは2月中旬、平日の昼下がり。渋谷駅から青山通りを青学方面に進み、キャンパスの少し手前で右に折れると店舗がある。
外観はやや古びた印象だが、店内は最近リニューアルされたらしく、明るくて清潔感に溢れていた。客席は2人掛けテーブルが2卓、4人掛けが4卓。カウンターが6席ほど。時間はずれなのだが席は7割ほど埋まっていた。
2人掛けテーブルのひとつに着席してメニューを確認。中華系の麺類や丼物、定食が中心で、どれもお手頃な価格帯だ。お得なセットメニューもある。
数種類ある焼きそばから、あんかけ焼きそば(850円)をチョイスして注文。7~8分で焼きそばとスープが配膳された。
麺は中太麺で焼き目も多少ついている。餡の具は肉、エビ、イカ、ウズラの玉子にキャベツ・白菜・筍・ニンジン・椎茸・ピーマン・マッシュルーム・ベビーコーンと盛りだくさん。
味付けは旨味溢れるスープと塩コショウが主体で、意外に輪郭のはっきりした味わいだ。粘度は普通でボリュームほどほど。麺とのバランスが程よい。
付け合せはかきたまごとコーンのスープ。軽くとろみがついて、こちらはごくあっさりした味わい。タイミングがあえばビールも合わせて呑みたくなる焼きそばだった。
ところで座った席の壁には創業した大正時代の写真が飾られていた。帰り際、年配の女将さんにその辺のことを尋ねてみると、当時は店舗が青山通りに面していて、都電の車庫のすぐ傍だったそうだ。今とは随分と違う風景だったのだろうなあ。
そのお話以外にもホスピタリティ溢れる優しい女将さんで好印象。渋谷のランチで悩んだときにはまた利用してみたい。
店舗情報 | TEL:03-3400-6334 住所:東京都渋谷区渋谷2-1-9 営業時間:11:00~15:45 17:30~21:50 定休日:土・日・祝日 → ホームページ |
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主なメニュー | ソース焼きそば 850円 あんかけ焼きそば 850円 あんかけ揚げ焼きそば 850円 |
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