焼きそば たつみ亭
名古屋の焼きそば専門店をもう一軒ご紹介しよう。守山区の焼きそばたつみ亭。屋号に焼きそばを冠する店なのだが、ある意味でこれまでにないハードルの高さを感じる店だ。
訪れたのは3月中旬、日曜の夜21時近く。名鉄瀬戸線を喜多山駅で下車。ずっと乗っていけば瀬戸焼きそばの本場だが、今回はそっちへは行かない。徒歩5分ほどで目的のお店に到着した。
お邪魔しまーすという感じで入店。手前にテーブル2卓、その奥にL字カウンターが8人分くらい。そして壁には人気アイドルグループ・乃木坂46のポスターやグッズがびっしり! 所狭しと配置されている。そう、この店はただの焼きそば屋ではなく、乃木坂46ファンが夜な夜な集う店なのだ。
店内はほぼ満席で、テーブルではプロジェクタを使ってライブ映像を鑑賞していた。カウンターも埋まっていたが、マスターは調理で忙しく「いらっしゃいませ」と告げるだけで精一杯。っと、先客の方が「ここ空いてますよー」と手前のカウンター席へと促してくれた。ありがたやありがたや。
さて、メニュー。乃木坂46のテーマカラー=紫に彩られたそれは、個性的なメニュー名が並んでいた。残念ながら乃木坂46をよく知らないので、どれがどういう由来か全くわからない。ただ私はBABYMETALのファンなので(この記事参照)、同グループのボーカル・Su-METALこと中元すず香さんの姉、中元日芽香さんだけはかろうじて存じあげている。
中元日芽香、通称・ひめたん。訪問当時は体調不良で活動休止中だったが、最近ラジオにサプライズ出演して復帰したそうな。彼女の持ちネタの「ひめたんビ~ム」に絡めた「ひめたんビ~ル(590円)」がドリンクメニューにあったので、顔をこわばらせつつポーズを取って注文してみた。
「ひめたん~ビ~~~ル、ください」
「奥の冷蔵庫からご自由にどうぞ」
「あ、はい」
ひめたんビールは大瓶でキリンとアサヒがあり、キリンを選択……って、普通のビールかよっ! いや、そんな気はしていたんだが。高円寺メタルめしの乗りに近いんだな。
「栓抜きはそこ、グラスはそこです」と常連さん。マスターが一人で忙しいので、みんなで協力して負担を減らしているようだ。乃木坂ファン、優しいなあ。ありがたやありがたや。
乃木坂46という共通項があるため、一見客が後からきてもすぐに打ち解けていた。一方、一般客への気遣いと節度ある盛り上がりも心掛けてらっしゃるようだ。常連さんの一人がBABYMETALも好きとのことで話を振ってくださったり、私のような乃木坂ファンではない一見客にも温かく接してくれて感謝感謝である。
それはそうと焼きそばだ。注文したのは「超絶可愛いまい焼んきそば(530円)」。「まいやん」というのが乃木坂46・白石麻衣さんのニックネームで、それに掛けたメニュー名らしい。あとで調べた。
「すみません、この超絶……可愛い? まい……えっと」
「焼きそばですね」
「あ、はい」
あとで会計したら「愛されまい焼んきそば(460円)」で通っていたようだ。声に出すのを躊躇してモゴモゴ注文するとこうなるので注意しよう。でもま、たぶん目玉焼きが乗るか乗らないか程度の違いだろうけど。
焼きそばの調理はカウンター内側の鉄板で行う。しばらくして出来上がり。麺は中太の蒸し麺。具は豚肉、キャベツ、玉ねぎ、ピーマン。トッピングに青海苔と花がつお。
調理の様子を見ていたらソースは2種使っていた。コーミソースのウスターで味付けしながら炒め、最後にお好みソースを垂らして仕上げていた。この店の雰囲気に合う家庭的な味わいだ。野菜たっぷりで独身男性にはありがたい。
瓶ビールと焼きそばでお会計は1050円。みな親切で和気あいあい、高校の部室のようだった。これもマスターの人徳だろうなあ。飲食店ってのは味とかサービスだけじゃなく、文化を醸成したりコミュニティを形成したりする場でもあるんだよね。最後にトイレをお借りしたら、こんなんだった。徹底していて清々しい。
ちなみに火曜日はオタ活禁止で、一般の方も入りやすいそうだ。乃木坂46ファンでない方はその日がおススメだそうですよ。
店舗情報 | 住所: 愛知県名古屋市守山区大森2丁目303 営業時間: 17:00~23:30(日曜は24:30まで) 定休日: 水曜(火曜はヲタ活禁止日) → ホームページ |
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主なメニュー | 超絶可愛いまい焼んきそば 530円 愛されまい焼んきそば 460円 ひめたんビ~ル 590円 |
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