鉄板焼 すみだ
西武新宿線・沼袋駅の北口のあたりは、狭い道が入り組んでいて隠れ家的な飲食店も多い。鉄板焼すみだもその一つ。入口が正面ではないので、ちょっと迷うかも知れない。
すみだを訪れたのは、2月中旬の平日20時過ぎ。以前も来たことがあるのだが、数年ぶりだ。店内はウッディな民家風の造りで、客席は鉄板に面したカウンターが10席のみ。和装に割烹着を纏った品の良い女性店主が独りで切り盛りしている。
入口で靴を脱ぐと店主が笑顔で空席へと促してくれた。カウンターは半分ほど埋まっており、客同士が楽し気に会話している。ただ声のトーンは抑制されていて、全体的に静けさを保っていた。適度な緊張感と居心地の良さが両立している稀有なお店なのだ。
まずは生ビール。こちらではキリンブラウマイスター(600円)を提供している。ぐびっと煽り、喉を潤す。お通しはもやしナムル。酸味が効いていて、歯応えが楽しい。一杯目はすぐに飲み干して、生ビールをお代わりした。
品書きはもちろん鉄板焼が主体だ。厨房の壁の黒板には日替わりのオススメもあり。酒好きなら誰もが目移りしてしまいそうなラインナップで、私もいきなり熟考してしまった。
一品目は、とうふ田楽(500円)。一口大の豆腐を鉄板で焼きあげ、柚子胡椒と青唐辛子、二種類の味噌を乗せたもの。青唐辛子の方は特に辛く、なかなかの当たり具合。辛い物好きな私だが、額から汗がじんわりとにじむ。普段はここまで辛くないとのことだが、好みの味だった。
田楽をつまむ途中で日本酒に移行。店主が高知県出身とのことで、日本酒リストの筆頭にあった安芸虎・純米(800円)を。小さな一合瓶からショットグラスに注いで、つっと飲み干す。「一滴覺爽快」の謳い文句通りの味わいだ。
続いて注文したのは牡蠣バター焼き(1000円)。油を引いた鉄板に牡蠣を乗せ、両面を軽く焼いてから蓋を被せてしばし蒸し焼きに。頃合いをみて仕上げにバター。焦げる匂いが食欲をそそる。牡蠣は大粒でプリプリ。シンプルだけどやはり美味しい。
そして〆にきのこ焼きそば(900円)とウーロン割り(550円)を注文。ウーロン割りやサワー類の中は、千亀女という麦焼酎を使っているらしい。
きのこ焼きそばは市販の蒸し麺を使い、時間を掛け丁寧に焼き上げていた。麺自体はカリッっとした歯ごたえを出し、全体的にはふんわりと仕上がっている。こんな感じで焼き上げるのが、意外となかなか難しいのだ。
きのこ焼きそばの名前通り、具はブナシメジやエノキダケなどのキノコ類がメイン。ベーコンやピーマンも使われている。味付けは醤油風味で、まさに乙な味。お酒にも合う、〆にピッタリな一皿だった。
隣に一人でいらしたお客さんとつい話し込んで、お会計は4950円。ご無沙汰してしまったけど、落ち着いた雰囲気の良店なのは相変わらずだった。自宅からも近いので、今度は広島お好み焼きかソース焼きそばを食べてみようっと。
店舗情報 | TEL: 03-3389-9448 住所: 東京都中野区沼袋1-45-1 営業時間: 17:30~24:00 定休日: 火曜 |
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主なメニュー | ソース焼きそば 800円 きのこ焼きそば 900円 広島お好み焼き 650円~ とうふ田楽 500円 牡蠣バター焼き 1000円 |
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